ほるぷ絵本館

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アトリエ通信

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あっという間に7月になってしまいましたね。前回の活動では、つい最近、入学したばかりだと思ったのにもう1年生が完全に小学生の顔になっていたのには驚きました。それぞれに小学校で色々あるようで、高学年の洗礼をうけたり、やんちゃな子にやられたりと、これまで出会ったことのない理不尽に心が揺れている子も少なくありませんが、色んな人間と出会い、色んな体験をしてもまれながらも、楽しく逞しく、いっぱい泣いていっぱい笑っていっぱい遊んで、6年間しかない素晴らしい少年時代を駆け抜けて生きて欲しいと思います。そんな気持ちを見事に言葉で表現した、まどみちをさんが、84歳のときに書いた小学生にむけた手紙が絵本“まどさんからのてがみ”になっています。まどさんの魂を感じます。84年間生きてきた作家が本気で書いた子ども達への手紙、絵本の部屋で紹介していますので、是非、親子で読んでみて下さい。
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前回の活動は、子どもたちの大好きなお料理でしたが、積み木のお寿司づくりは、お料理をしのぐ喜びようでした。子どものごっこ遊び好きは、大人の想像以上で、ごっこ遊びこそが子どもたるものの特権のような遊びであることをつくづく考えさせられました。今回の子どもたちの姿に、幼い子どもが、お料理が好きな理由なのも、食べられるということ以外の理由のひとつとして、お料理もごっこ遊びのように感じているのかもしれないと思いました。
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先週の版画は、不思議でかっこいいアーティスティックな作品が次々に生み出されましたね。幼小コピカで作品だけごらんになられた方は、どんな風に作ったかわからないと思いますが、実は板に粘土を敷いて、めん棒でトントン模様をつくって3色刷りしただけです。版画はやってみないとわからないので、紙をめくった時の子ども達の驚きに満ちた表情がとてもステキでした。
作品づくりの前にキューブダンシングという和久先生の童具で、球・紡錘体・円柱・立方体の4つの基本形態を回転させることによって、形のつながりを直感してもらいました。球を回転させても形は変わりませんが、殆どの幼児が「変わる!」と答えます。変わらないとはっきり認識できるのは、小学生になってからのようです。また、紡錘体や円柱は、回転軸によって、思いもよらない形があらわれます。単純な形体を回転させることで、全く違う形があらわれることに子ども達は興味津々、皆、藤本先生の周りに集まり目を輝かせて見ていました。

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今回も積木のお話になるのですが、先日、和久積木を50箱揃えている園に、積木の講師として年中さん約30名を対象に、1時間半の活動を行ってきました。今年一年、年間をとおしての講師依頼で今回はその一回目。はじめて出会う子ども達との積木遊びは、和久積木の魅力と子ども達の力を目の当たりにできます。
皆でひとつのものをつくっている時も、その後の自由遊びでも子ども達の創造の喜びはとまらずアトリエの子達のように完成度は高くありませんが、手の止まっている子は一人もいませんでした。ひたすら積木を並べて、子ども達の集中力はとどまるところを知りません。

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<5月2回目の積木活動について>
超大量の積木を使った活動は、アトリエでしかできないことなので、毎回、出来る限り子ども達の心に深く残ってゆくものにしてあげたいと思い取り組んでいます。積み木の円筒は、アトリエに長く通っている人達には見慣れた光景であるかもしれませんが、はじめて見た人は「これは一体、何?本当に子どもが作ったの?」と、どこでつくってもびっくりされます。
今回は、もう何十年と子ども達と円筒をつくる活動をしてきた私自身こそ、新鮮さがなくなっていることに気付かされました。新しい先生達にとっては、毎年の積木がアトリエでのはじめての体験ですから、緊張感と子ども達と同じようにわくわくしてやっている気持ちが伝わってきます。それがそのまま子ども達にも伝わり、私や有末先生とやっている時とは、また違った子ども達の姿が見られました。年長さんや小学生は、新しい先生に「自分は何回もやっているんだから積木のことは よくわかっている。」と、どれだけ自分が積木が得意なのかを見せている感じもありました。

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先週の活動は、球をテーマに、球である風船で遊んだ後に、風船の中に石こうを入れて球のオブジェをつくりました。水で溶いたリキテックスで着色し、以前の活動で使った注射器で絵具をかけて仕上げをし、いつもとは違う色感を楽しみながら、それぞれに美しい作品をつくりあげていました。アトリエ活動の分類は、遊びの創造共育法1巻のP155に描かれているのですが、例えば球がテーマなら、
1.形態遊び
(1)球で遊ぶ
(2)類似物で遊ぶ
(3)ルールのある球の遊び
(4)球になる
(5)球のイメージ遊び
(6)球を探す
(7)球を使った童具で遊ぶ
(8)球を変形させた球体で遊ぶ
(9)回転させて遊ぶ
(10)球をつなぐ
(11)他のものと関連づけて遊ぶ
(12)絵本からの発展活動
(13)音や音楽との連携活動
2.球の展開
(1)球をつくる
(2)球でつくる
(3)球に描く
(4)球を使った童具をつくる
(5)球を分割する
(6)球の変形をつくる
(7)球で描く
(8)球を描く
3.制作方法
(1)彫刻
(2)オブジェ
(3)工作童具
(4)レリーフ
(5)コラージュ
(6)描画
(7)版画
(8)スタンピング
(9)彩色遊び
(10)料理

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毎年恒例の球の活動では、嬉々とボールと戯れる子ども達の姿に感動させられます。ボールは、幼子の友達ですね。子どもは、ボールの動きに生命を感じています。生命は、同じ生命を持つものに興味を示します。そんな子ども達の姿に人間の本質を感じる一週間でした。
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入園、入学おめでとうございます。お母さんと初めて、離れて過ごす年少さん、小学校の椅子に座って先生の話を聞いている子ども達、Aちゃんはきっと緊張しているだろうなあ、B君はすぐお友達を作っているな、Cは号泣しているな、あいつは暴れまわって先生を困らせてるな(笑)と一人一人の姿が目に浮かびます。何はともあれ2014年度のスタートが子ども達にとって希望に満ちたものであることを願います。
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先週ピカソクラスで行ったピタゴラスイッチは、皆、さすがでした。それぞれのクラスがそれぞれにおもしろく“よく、そんなこと考えつくなあ”というアイディアが満載、“そんなん無理でしょう!”と大人が思うようなことも、ギャングエイジに突入した子ども達は、意地でもやろうとするので、わたしも“そこまでがんばるならなんとかしよう”と言う気もちになり、がっつり本気の一週間となりました。何度も何度も失敗し、真剣すぎてお互いにイライラしてしまうクラス、失敗を笑いとばせるクラス、なんとかなるよ~とのほほんとしたクラス、それぞれがそれぞれに魅力的で、皆いいなあと思いました。よく使われる言葉ですが、「皆違って、皆いい」子どもが100人いれば100通りの答えがある、100通りの生き方がある、あなたはあなたのままでいいとつくづく思いました。
以前にもお伝えしましたが、今年の8月、遊びの創造共育法全国大会が開催され、全国の創造共育を行っている園を中心に、児童館や美術館、老人介護施設、養護施設など総勢200名が集まり、どのような活動を行い、どう子どもが変わり、どう私自身が変わったのかの発表がありました。
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前回の絵画では、難しい花の絵を子ども達は見事に描きあげましたね。特に年長さんの成長には驚かされました。4月に小学校入学を迎えるにあたり「この子は、大丈夫かしら?」と心配されているお母さんも多いと思います。私も小さい時から見てきた子達なので、ある意味ではお母さん達と同じような気持ちで心配をしてしまう部分もあります。今回の年長さん達の絵は、そんな大人達に「僕は、私は、ちゃんと成長しているよ」と語りかけているようでした。
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先週の活動は、アトリエで揃えたかった、念願の新かずの木40の白木で、数のパズルやサイコロをふって出た目をトレーに入れてゆく、もしくは、だしてゆくという数取りゲームをしました。小学生は、サイコロをふたつ振って出た目を足していれてゆくのですが、たとえば、2と4で6がでたとして、6のかずの木がもうない時は、8をとって2を返すといいふうにしないといけないので、大人がやっても混乱します。
アトリエでは、これまでカラーのかずの木を使っていましたが、おうちにカラーを持っている子が多いので、積み木と同じ着尺の新かずの木は、白木をつかってみることにしました。(子ども達は返って新鮮だったようです。)親子コピカのお母さん達が話されていましたが、白木のほうが数を意識するようです。

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先週の活動は、直角二等辺三角形をテーマにカラーモザイクの中から、無彩色と純色の三原色三補色(赤・青・黄・緑・橙・紫)を用意し、その中からそれぞれ一色を選んで2色でデザイン構成をしました。始めに三角2枚だけでどんな形がつくれるのかをやってみたのですが、よく2枚だけでそんなにたくさんの形が思いつくなあというくらい、次から次へと「こんなん出来た!見て」と言う言葉がとびかっていました。(20種類くらいありました。)ひとつの形からこれだけの多様性を感じとることの出来る子ども達に脱帽です。
先日の水曜日、加西市の保育園からの依頼で絵本の読み聞かせについての講演へ行ってきました。時間前に園庭に出てみると、次々にかけよってくる子ども達。「ねえ、誰のお母さん?」と聞かれたので、一人の男の子に、「私は今日、お母さん達にお話する人。なんかお願いがあったら言っといてあげるよ」と言うと、「お母さんおれへん…でもおばあちゃんが来てくれた。あそこにおる。」と教えてくれました。「じゃあ、おばあちゃんにお願い伝えてあげるよ。○○くんのお願いはなあに?」って聞くと、その子はうつむいて「病気にならないでね」と一言、言って走り去っていきました。予想していなかった答えに、私の時間がとまりました。こんな幼い生命のお願いが、自分のことじゃなくておばあちゃんを気づかう言葉が返ってくるなんて。安易な気持ちで聞いた自分の心が恥ずかしくなる思いがしました。
講演の冒頭で、集まったお母さん達や先生方にそのお話しをすると、その子のおばあちゃんや園長先生は涙を流され、他のお母さん達も目頭をおさえていらっしゃいました。
本当に、どこへ行っても子どもから学ばされます。

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先週は、四角柱をテーマに、始めにカラーブロック¥8,200とケルンブロックを組み合わせた30cm着尺のパーツで見立て遊びや立体、平面パズルを楽しんだ後に、白い正方形の画面にママボールでスタンプしてからマスキングテープを貼り、黒で全面を塗って、テープをはずし作品をつくりました。四面にミラーを貼ったプレイボックスに作品を入れて見てみると、そこには、自分でつくった作品の四角柱が現れ、子ども達もその不思議な視覚を楽しんでいましたね。一つの四角にも色んな形がありいろんな表現方法がある事を直観していました。
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新年、あけましておめでとうございます。皆様、楽しいお正月をすごされましたでしょうか?私の年末は、いつも年賀状作成の為、パソコンの前にかじりついています。9月~12月までの写真を見ながら一人一人選んでゆくのですが、わずか半年なのに、半年前の子ども達の顔は、今よりも幼くて、それぞれの成長を感じます。「あの時、こんなことがあったなあ」「この日の○○ちゃんからすると随分落ち着いたなあ」「このお母さんもおこらなくなったなあ(笑)」なんて思い返しながら見ていると、一人でパソコンの前で号泣。なんと幸せな人生を与えられているのだろうと思います。
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先週のお母さん講座では、講座と言うよりも、参加者皆でアイディアをだしあってくむくむとクムンダで楽しみました。これはすごい!と思ったのは、三次元で走るクムンダレールを皆でつくった時。このレールの上にクムンダカーを走らせるのは、難しいのですが、いざレールを持って動かし始めると、皆の息がピッタリあってスイーッと走るクムンダカー。まるでエグザイルのチューチュートレインのような動きでした(笑)。言葉で説明しづらいのですが。
それからベーシックなレールをつくり、くむくむでパーツをつくり、色んな形を走らせて、どの作り方が一番おもしろい動きをするのかを実験していたら、あっと言う間に時は過ぎてゆきました。

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上記写真は、先週のコペルクラスの実験の様子です。ケルンモザイク四角の難問パズルとカラーチャートを作成した後に、光の三原色で実験しました。始めに青のセロファンを貼った懐中電灯で白の容器を照らすと影は黒です。幼児クラスで予め、“何色になると思う?”と聞いてみたら黒と水色にわかれました。実験は仮説をたててから行うとより子ども達の興味が湧くようです。そこに今度は他方向から緑の光を加えました。すると、緑と青の影が出現。そして赤を加えたのが、一番右の写真です。
子ども達は不思議心いっぱい。
“青を消してみて”
“位置を入れ替えて見て”
“3つ同じ場所にして”

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先週のオニの面は、皆、魅力ある作品をつくっていましたね。
具体物を作る時、よく目にしている絵のイメージが優先し、子どもの発想が固定化されないか心配になることもあるのですが、前週、画用紙に下書きを描いてもらった時に、子ども達の豊かな表現に、これは活動にしても大丈夫だと確信しました。
色んな色で塗っている子も、赤・青などの単色で塗っている子も、アートが炸裂している子も整然とつくっている子も、それぞれが表現している世界がその子らしくて、たまらないくらい子ども達がかわいくなりました。きっちり、整然とつくっている上記の写真は、年長さんのMちゃん。「らしいなあ~」とほほえましくなります。彼女のことですから、あっさりした作品に見えても、一つ一つのパーツに納得するまで時間をかけてつくったはずです。その子のお姉ちゃんも小さい時にこんな感じの作品をつくっていて、お母さんも「うちの子の作品はきっちりしすぎていて・・・」と悩んでいる時があったなあと思いだします。でも今は、“これがうちの子らしさ”と今の私のように、作品を見て、くすっと笑っていたんじゃないかと思います。アトリエは、芸術家養成学校ではないですものね。自分が自分のままでいられる場所。自分は自分のままでいいのだ、と思える場所です。Mちゃんのお姉ちゃんは、その後もこの世界を貫き、6年生になりこの世界のエキスパート。整然としていて、規則正しく、きっちりしていて、何一つ適当なところのない、自分の意思がしっかり表現されている素晴らしい作品を毎回、生み出しています。自らの成長で私に色んなことを教えてくれた子どもの一人です。

先週の車づくりは、アトリエでは具体物をつくることがあまりないからか、逆に新鮮だったようで、親子コピカからピカソクラスまで、楽しんで活動にとりくんでいました。とくに男の子のモチベーションが高く、つくりながらも嬉しくて嬉しくていてもたってもいられないような子がたくさんいました。
車の作品をつくる前にアトリエで一番人気の童具、くむくむで色んなパーツをつかって自分のくむくむカーをつくったのですが、くむくむは本当に良く遊びますね。幼小コピカはあのまま続けていたらくむくむだけでも1時間半、十分に遊べそうなくらいでした。車を連結させたり、プロペラを作ったり、乗り物だけでなく動物や遊園地など、捧を差してパーツをつけるだけで、イメージはどんどん広がり、活動(遊び)の幅を広げることはいくらでもできます。もちろん、積木との基尺もあっているので一緒に遊ぶことができます。また、赤ちゃんが遊べるガラガラやでんでんだいこ、こま、歯車などの簡単なおもちゃから、器用な方なら実際に遊べる手押し車や三輪バギーなどもつくることが出来ます。

先日の講演会では、0才児から子どもがどのように育ち、その時脳ではどんなことが起こっているのか、その後の成長にどういう影響してくるのか、そして親子の信頼関係を0才児の時から築くことが脳の発達においても極めて重要であるというこというお話しがありました。
脳の中には、眼窩前頭皮質とういう、やっていいこととやってはいけないこと、やるべきことなどがわかるようになるところがあり、そこは3才までしか発達しない場所で、親からの愛情、親への信頼によって育ってゆくのだそうです。(かなりはしょりましたので、気になる方は調べてみて下さい。)長年子どもとお母さんを見てきて、親を含め大人を信頼している子とそうでない子がなんとなくわかる時があります。小さい時から嫌なことをやらされてきている子は、アトリエに体験参加に来ても、活動を楽しめるまでに時間がかかります。多分、ここで大人にのってしまったらまた嫌なことをさせられると思っているからなのだろうと思います。

前回の絵画は、親子クラスはメロンパンとフランスパン、幼小・ピカソは魚をモチーフにしました。お魚のことはよく知りませんが、モチーフとして選ぶなら秋のお魚は最適で身もはちきれそうな存在感のある魚が揃います。子どもや植物や虫が夏の太陽を浴びて秋に一気に成長するのと同じでしょうか。魚屋さんは絵を描く目的で選んでいるとは知りませんから、じっと魚を見つめ、写メを撮ってメールや電話でどの魚にするか私に相談している藤本先生はさぞかし怪しげな人に見えただろうなと思います。私も一度、立派なガシラをやっと選んで買った時、ご好意なのですがさばかれてしまった事がありました(笑)。あこう、あじ、さば、のどくろ、さごし、がしら、ひらめの中から4種類を子ども達に見せ、それぞれ描きたい魚を決め、お皿はピカソの子達に選んでもらいました。そういうことを任せることも絵を描く時のモチベーションにつながるようです。絵画は積木と共にアトリエの柱となる活動ですが、その中でも生き物がもつ力は子どもに与える影響が大きく、モチーフを見せてからすぐ、子ども達の“はやく描きたい!”という気持ちがバンバン伝わってきました。とりわけ魚好きの子ども達の勢いは止まらず、前回の野菜を描いた時と同じ子が描いたとは思えないような絵が仕上がり、気持ちが違うとここまで違うものなのだと感じさせられました。“好き”だから、“やりたい”から、どんどん感性が開き、その子の能力が引き出されて、気持ちが前向きだからそれまで苦手だったことも出来てしまっています。子どもの姿そのものが、私達大人に子育てのあり方、教育のあり方を教えてくれていますね。今回の絵画は、描く前にブライアン・ワイルド・スミスの絵本「さかな」を読んだことも、イマジネーションを掻き立てるきっかけとなったようです。
9月14日の高砂市の万灯祭という幻想的なお祭りで積木で円筒をつくりライトアップしてきました。通りすがりの人が足を止めて見て下さったり、写真を撮ってくれたり、積木でつくっていることに驚かれたり、自分の表現活動を誰かが見て感動してくれている姿は嬉しいものですね。子ども達の、見て見て!という気持ちがよくわかりました。
工場(コウバ)の敷地をお借りしたので、積木をつくっている横では溶接の音がパチパチ。海風と油の匂いの中で創造活動を行っている時間は、心地のよいとても充実した時間でした。プレッシャーの無い中で、自分の好きなことをしている時の完全なリラ
ックスしている状態だったとだと思います。積木を積んでいる間に“こんなことを子ども達としたら喜ぶだろうなあ。”“今度こんなことをしてみよう。”とアイディアが次々と浮かんできました。
脳科学のテレビ番組で、企業家や芸術家がアイディアが浮かぶのはリラックスしている時だと言っているのを聞いたことがあります。人にはこういう時間が必要だと、この頃の自分自身にも、子ども達を見ていても、そう感じました。

先週の親子コピカでは、立方体と直方体で一人一人円筒をつくり、クラスによってライトを入れたり、45㎜×360㎜の板積み木(H100 ¥12.000)をそおっとさしこんで上からビーズを落としたり、ライトを入れたりして遊びました。幼小クラスの作ったサクラダファミリアのような建造物にもライトを入れたのですが、積み木の間から木洩れる光の美しさも、天井に映しだされたひとつの街のような積木の影も、この空間にずっといたいなあと思うくらい、とてもきれいでした。影の美しさを考えて積木をつくってみても楽しいかもしれませんね。 アトリエでは、大量の積木を使える醐醍見がありますが、積木のいろはでも、光を美しく演出できるランプシェードがつくれます。怒濤のように過ぎてゆく毎日の中で、そんなゆったりとした時間を、秋の夜長にお月見もかねて過ごしてみてはどうでしょうか?
子ども達の夏が終わりましたね。真っ黒に日焼けして夏の太陽と自然に鍛えられ、たくさんの体験を家族といっぱい楽しんで過ごしてきた先週の子ども達の姿は、ひと夏でひとまわり逞しくなっていることが目に見えて感じとれました。
「たった一日のほんの数時間が、子どもを変える時もある。」
この夏はそんな子ども達との出会いがたくさんありました。
この一日があったかなかったかでは、この子のこれからはきっと違ってくる、そんな時間を子ども達と共に過ごせた時、驚きと感動の喜びに満ちあふれている表情を見た時、これが私の仕事なんだ、やりたいこと、無我夢中になれることなのだと感じます。
子ども達が何かをつかみとってゆく姿には、大人も感動させられます。

先日の講演会では、お忙しい中、多数の方にお越し頂きありがとうございました。「来てよかったです。」という感想もたくさんの方から頂きました。また、お子さんがもう大きくなっているお母さんからも、「学校教育についてゆかせなければと思っているうちに、すっかり忘れてしまっていました。今こそ聞けてよかったです。」と言う感想も多くありました。
和久先生が冒頭で話していたように、子どもは皆、自ら生きる力を自分で獲得する力を持っている。初等教育の父ペスタロッチーも幼児教育の父フレーベルもエミールを書いたルソーも、日本の幼児教育を支えた倉橋惣三も、人類史上極めて大きな足跡を残した教育思想家達は皆、同じことを言ってきました。教育者を志した人は必ずこれを学んできています。

そもそも字と絵の表現は一体のものだった。
象形文字のいわれや変換などをたどらなくとも
無心に楽しんで字を書いていると
自然に絵になってしまう。
遊ぶ字だ。
そこに生きる喜びがふくれあがってくる。
まさに芸術。
岡本太郎はそう言って数多くの書を遺しました。太郎は、「何の為に絵を描くのか」の答えを得るため、ソルボンヌ大学で哲学、社会学、精神病理学、民族学を学んでいます。先日のピカソクラスでは、彼の書と思いが綴られた“ドキドキしちゃう”を子ども達に見せてから書の活動に入りました。用意された墨と筆を見た瞬間「習字嫌いやのに」「字は苦手」と言っていた子もいましたが、太郎の書を見せると「なんだ、アトリエ的でいいってことね。」と筆を走らせます。ピカソの子ども達の言う“アトリエ的”の意味は、ニュアンスではどういう感じかはわかるのですが、今度、言葉で聞いてみようと思います(笑)。

5月2回めの活動は、絵本「ジェリーのあーなあーな」を読んでから、円柱をテーマに円弧モザイクで円が重なって円柱になることを見せ、大きな円柱紙管を登場させると、幼児コピカではどのクラスでも、何も言っていないのに皆、穴に入ってゆくからおもしろいですね。子ども達にかかると、なんでも楽しみの童具。くぐる子がいたり、転がす子がいたり、のる子がいたり、中に入って自力で転がってゆく子もいました。そういう、子ども達が自然と遊びを生み出してゆく姿を見る時、これが正に創造力の基本、こんな時間と空間が子どもの成長には必要だとつくづく思います。我々大人がつくった今の社会が子ども達から奪った“3つの間”<時間><空間><仲間>を取り戻してあげたいですね。

GWに少しだけ会わない間でも子ども達は、びっくりするくらい成長していますね。4月は、どの子も環境が変わり変化の著しい時期ですから、一人一人の意外な一面が見られる瞬間が何度もありました。
前回の活動は、それぞれに好きな色の絵具を粘土に混ぜて捏ね、約8個から10個のオリジナル粘土をつくってからカプセルの内側に貼り付けて仕上げました。小さい子達は自分でつくった自分だけのボール、大きい子は、地球をはじめ惑星をイメージしています。
ピカソクラスの作品はアーチスト完成度の高い作品に仕上がりましたが、幼小コピカの作品もなかなかのものでしたね。幼児はまだ粘土にしっかり色をまぜこめないので、そこがマーブル状になりかえって味のある模様が出来たり、均等に粘土が貼れず、どちらかに重さが片寄り、転がした時におもしろい動きになったり、偶然から出来る変化も楽しめる活動でした。