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アトリエ通信

2月に入り6年生達はいよいよアトリエ人生のカウントダウンとなりました。「後○回でアトリエが終わってしまう。」と毎回嘆いてくれて、子ども達から愛されるアトリエであれたことを嬉しく思い、また、そう思ってくれている子ども達、お母さん達に感謝の気持ちでいっぱいです。
先週のピカソクラスは、子ども達が楽しみにしていた壁画の作成。毎年、畑先生が頭を悩ませながら1年をかけて考えてくれています。曲線をテーマに15㎝×180cmのスペースに自由に描いているのですが、隣の人が描いた絵の線とあわせて描いているので、全体の作品がつながっています。


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曜日もクラスも違う3人が描いた壁画の一部ですが1枚の絵のように見えます。


関係性とつながりはアトリエの重要なテーマです。アトリエのカリキュラムは、学校の授業のように1時間目は国語、2時間目は算数というように、違うことをすることはなく、例えば先週の親子コピカで言えば正三角形をテーマに六角モザイクでパターン遊びをしてから、正三角形の和紙に白ペンキをつけた板で、三角の形がつくれるようにスタンプをして、お部屋ごとに着色してから正三角形のオブジェをつくる、というように活動の流れに関係性とつながりがあります。そして次週の活動にも途切れることがないように関係性をもたせています。アトリエは開校当時の20年前からフレーベルの教育哲学に沿いそうしてきていますが、2020年度からの学校指導要領を読んでいると、学校もそちらの流れになってゆくようですね。園でも設定保育から、子ども達の自主性を重んじるコーナー保育が広がりを見せている印象です。これからの日本の教育がどう変化してゆくのか楽しみにしているところです。

ピカソクラスの壁画は、場所を決めずに描いていますから、後の方の金・土曜日の子達は左右のどちらにも線をつなげて描かなければいけない場所になる子もいました。全く違うタイプの絵の場合、それをあわせるのは非常に難しく、どうしても絵が途中で途切れたようになります。そうなることを踏まえているのでそれはそれでいいのですが、そこを見事に調和させてくれた子がいます。6年生のT君は、どちらかと言えば空気を読むのが得意ではなく、人にあわせることも苦手なほうなのですが、そんな彼が誰よりも見事に左右の絵をあわせて描いたことに大感動しました。絵を描くというツールを使えば、これ程までに協調性を発揮することができる、これはすごい才能です。私にとっての大発見でした。何年アトリエをやっていても子ども達からの発見はつきません。子ども達に学び続けている毎日です。

今週は、コピカは直角二等辺三角形の石こうレリーフ、ピカソは、ジャクソンポロックの抽象画を作成します。子ども達からの新たな発見を楽しみにお待ちください。

※和久先生の講演会が満席となりキャンセル待ちの状態となっていますので、当日、予定ができた方はお早めにお知らせください。

※キャンセル待ちはアトリエ会員・ご紹介者を優先していますので、お早めにお申込みくださいね。

2020年2月②アトリエ講師 星野由香

先々週のアトリエでは、はじめにピンボードで四角をつくって遊んでから、トレーシングペーパーを彩色しアクリルボードに貼り付けて作品をつくりました。太陽の光にあてるととてもキレイでしたね。是非、窓際に飾ってあげてください。この時は、線でできる面(四角)の形を意識してもらいたかったので、同じ色のゴムをつかいました。ピンボードでできる面の形が、作品の中にも同じように現われてくることを通して、子ども達は線から面へのつながりを直感してゆきます。


先週も引き続き四角をテーマにつくった四角のお部屋は、一クラス一面とは言え、あれだけの色を塗って貼り付けるのは大変でしたが、大きな四角の画面をとても喜んでいました。しかし、それだけでは子ども達にも想定内。そこからアトリエの本領発揮です。子ども達がおやつを食べている間に、後4面を足して四角だらけのお部屋にしました。これには子ども達も大興奮で大盛り上がり。アトリエスタッフは毎回、演劇の大道具さんみたいなことをしています(笑)。大人は、トリックアート的な写真に盛り上がりましたが、子ども達はただただ四角だらけのお部屋が楽しい、ただただその中で遊びたい、できれば閉じ込めていもらいたい(笑)と言う感じでしたね。大人はつい欲張ってしまうけれど、子ども達の願いはいつもいたってシンプルです。


先週の金土に、本年度コペルクラスが終了致しました。最後を飾るのは、毎年恒例の子ども達が一番楽しみにしているコペルスイッチ(ピタゴラ)。各担当エリアを2~3人のグループでつくり最後にみんなのレールをつなげます。簡単な仕掛けでも繋げるとなると大変なので、幼児クラスは各エリアに先生がひとりついて、子ども達の“こうしたい”をサポートします。小学生は自分達でやるので、実は小学生のほうが大変。とっぴなことをやろうとするのも、高学年が多いです。今回も最後の小学生クラスはで“それは無理やろー”“どう考えてもまにあわへんて”というようなコースをつくったのは、後半の二組(後半を高学年に任せる為)。しかも全員親子からきているベテラン組み。案の定、お母さんを呼ぶ前にした“ためし”でも何回もとまってしまい改善の余地もなく焦る私。「どうするん?」「ほんまにどうするん?」の問いになんの自信なのか、「大丈夫やって」と笑っています。この状況でなんで大丈夫と思えるのか???でも本人達がそれでいいと言うならそれでいいかと思い、お母さん達を呼んで本番スタート!するとできちゃうんですよね。止まることなく一発でクリア。私は「えーっ!!えーっ!!なんで~っ!!」と1人で叫んでいました。本当に。なんでできたのかわかりません(笑)。

こういう奇跡がアトリエはよく起こります。それが偶然と言える回数ではないんですよね。おそらく体験なのでしょうが、量子力学じゃないけれど、子ども達の気が溢れているのかもしれません。この子達にとって、この一日は忘れられない日になっていくだろうなあと思いました。その中の1人、6年生のSくんはお兄ちゃんも長く通ってくれていて、今、高校生になっています。その時、お母さんとは12年のおつきあい。入会した当初は子育てのことで2人で涙したことが何度もありました。そのお母さんが今では、同じ子育てに迷ったり悩んだりしているお母さん達のために講演をされています。創造共育の共と言う字は、親も子も講師も共に育ってゆきましょうという意味があるのですが、まさに、子ども達と共に、お母さんも私も育ってきたなあとしみじみ感じた日でもありました。今年も楽しい企画を考えてコペルクラスを開校しますので是非、お申込み下さいね。

2020年2月①アトリエ講師 星野由香

先週は子ども達のケルンブロックで遊ぶ姿に感動の毎日でした。ケルンというのはドイツ語で種子を意味します。ケルンブロックは、箱に入った3㎝基尺の積木で、幼児教育の母フレーベルのGabe恩物をもとに、和久先生が整理して忠実につくられた童具です。色んな積木がありますが、積木の考案者であるフレーベルの思想にここまで忠実につくっている積木は和久ブロックだけです。

今回は立方体4個・直角二等辺三角形8個を組み合わせて、一つの三角形・次は二つ・4つという風に色んな三角をつくって遊びました。これがハマるハマる。親子・幼児・小学コピカ全てのクラスで子ども達が夢中になりました。それからの見立て遊びとパターン遊びも盛り上がりました。6㎝の立方体として箱からでてくる形が、ひとつの三角形に変化してゆく様子は、子ども達からすると不思議の宇宙です。先生が前でやって見せると拍手喝采があがったクラスもありました。ですから、お家で遊ぶ時にケルンブロックがなく45㎝の積木を利用する場合は、はじめにひとつの立方体として渡してあげるのが重要です。

どうしてできるの?はやくやってみたい!!と好奇心いっぱい興味津々の子ども達の目はキラキラと輝いていました。水曜日の親子クラスでは振替が多く二人になり、私も一緒になってじっくりゆっくり遊んでいたのですが、気が付くとこの遊びだけで40分。飽きることなく遊び続けた二人の子ども達の能力に感心してしまいました。

幼児・小学生もじっくりケルンブロックで遊んだので、次に遊んだ8個の三角形も遊び方がいつもと違っていました。正方形と長方形をつくったり、三角と四角をつくったり、空間の正三角形をつくったり、より形を意識した遊びへと展開していたのは興味深い変化でした。
アトリエは形をテーマにしていますから、幾何学的・数量的遊びも多くなるのですが、子ども達のこういう姿を見ていると、人間はそもそも図形が好きなのではないかと思わされます。

この遊びにより、子ども達は『量の保存』の概念を直観しています。“量には移しても、分けても、形を変えても、全体の大きさは変わらないという”性質があります。(算数教育指導要領から抜粋)つまり“ものの数量は、その形が変わっても同じままである”という重要な概念です。子どもにより違いますが、ピアジェの有名な「思考発達段階」によると7・8歳くらいから獲得できる能力だそうです。私は子ども達との実践が先で、後で知識と照らし合わす順番になるのですが、それがピッタリと合致した時、学問の普遍性に感銘を覚えます。なぜ、勉強しなくてはいけないのか、私のいまのところの答えは。普遍を学ぶ為、つまり物事の本質を知る為なのだと思います。もう少し優秀ならそれを基に新しい知を生み出す為・・と言いたいところなのですが(笑)。

それからの富士山づくりですから、集中しないわけはありません。こういうことがしたいが為に特注した塩化ビニール板のミラーが役立ってよかったです。今回も驚きと感動のアトリエでした。
※メーリングリストなどにも利用しますので、メールアドレスの提出をお願いいたします。
※災害時・警報などが出た時のアトリエのお休みは、ホームページにて掲載しますので、そちらでご確認ください。

2020年1月②アトリエ講師 星野由香

新年あけましておめでとうございます。2020年、節目の年のスタートですね。皆さん、楽しいお正月を過ごされましたでしょうか?今年も、子ども達の喜びに満ちた顔をたくさん見れます様、精進してまいりたいと思います。スタッフ一同、よろしくお願い致します。

昨年は寝てもさめても“集中力”について考え続けた1年でした。自分はどう生きたいのかを人は考え続けます。昨年引退したイチロー選手は引退会見の中で「後悔などあろうはずもない。」という名言を残しました。多くのコメンテーターが、そう言い切れる生き方に憧れ、羨ましく思うと言っていました。血のにじむような努力をしてきた生き方であるのに、多くの人がそう思うのはそこに“人間がこうありたい”と求める本質があるからなのだと思います。

そこまで人生をかけることのできる何かを見つけられた生き方、たとえいばらの道であっても好きなものをみつけ、それを追及する生き方を人は幸せだと感じるのではないかと思いました。その為には、子ども時代に好きなことを無我夢中になってやり込んだ体験、集中して何かをやり遂げた体験が必要です。

アトリエの子ども達を見ていても、とことん集中してやり遂げた後の表情は喜びに満ち溢れています。逆に、集中できなかった時は、子ども自身が嫌な気持ちになってしまっていますよね。そういう時の子どもは、その場を取り繕うように、わざとはしゃいだり、無理してカラ笑いしたりしています。集中した時のほうが、適当にやった時よりも断然楽しい。脳がその時の快感を知っているから、集中した体験の多い子の脳は、物事にむかった時、自然とそうなるように脳が検索をするのだと思います。アトリエに優秀な子や好きなことを見つけられた子が多い一番の理由はそこになるんじゃないかと、、、ずっと考え続けてきた答えがようやく見つかったのではないかと思っています。(ほぼ確信しています。)だから、子どもの好きなこと、興味をもったことを軽く考えずにとことんやらせてあげることは、その子の生き方に対する姿勢を決めるとことでもあるのかもしれません。

集中する為には、好きなこと、興味があることでないとダメなんです。やらされたのか、自分からそこへむかったのかでは、喜びが違ってきます。やらされたのではなく、教えられたのではなく“自分で”試行錯誤の末に発見したことであるからこそ、子どもを大きく成長させるのです。

子どもの集中の仕方は、そこに全人生をかけているのかと思うくらいの集中ですから、アトリエの1時間半で別人になったって感じるくらい変化することがあります。絵画が始まる前の「私、絵は下手やから嫌い」から、終了後には「私、絵は大好き、得意やから」の豹変に返す言葉がないほど呆気にとられた(笑)のは一度や二度じゃありません。この1時間半の間に子どもの心に何が起きているのでしょうね。もちろん、それまでの積み重ねた時間と体験があるからのことなのですが。そういう変化、成長の仕方ができるのは、子ども時代だけなのかもしれません。我々大人は自分の起こした現象でさえも素直に自分に吸収してあげることができなくなっています。きっとこれまでの自分への評価や固定概念が邪魔をするのでしょうね。

だからこそ、子ども時代にいかに我を忘れる程に無我夢中になって物事にむかえる時間をもてたかは、彼らの人生に大きな意味を持たせることになるのだと思います。教育の場にそういう時間がなくなってゆく今、是非、無理にでもそういう時間をつくってあげて下さい。また、好きなことをやろうとしている子ども達に引き換え条件をださないであげてくださいね。例えば、勉強したらやらせてあげる、とかお手伝いしたらやっていいとか。それはまた別のことであり引き換えにすることではありません。子どもの“好き”に失礼であるし、その価値も下がってしまいます。そうなると集中するチャンスを失ってしまいます。

和久先生の言葉か、誰の言葉なのかわからないのですが、ノートに書き写していた言葉があります。
“幼児期は邪心がなく愛されているという気持ちを一心に感じとれる。愛と自由が満ち足りているこの時期、この時期に一生分の愛をたくわえている”
皆さんのお子さんは一生分の愛をたくわえているでしょうか。

全ての子ども達が毎日、毎日を楽しいと思えるような子ども時代をかけぬけさせてあげたいと願います。子ども達と関わってゆける自分の人生に感謝し、今年も子ども達と共に成長させて頂ければと思っております。本年もどうぞよろしくお願い致します。


2020年1月①アトリエ講師 星野由香

新年あけましておめでとうございます。今年も1都3県の緊急事態宣言から始まる1年となり、世界のコロナ状況も終息する兆しを見せず、2021年は、現代人がこれまで経験のしたことがない年となることを、誰もが予測されていることと思います。これまでアトリエ通信で「アトリエはどんな時代となっても生き抜ける力を育てる場」ということを伝え続けてきましたが、まさに今がその時ですね。既存の価値観が一変した今、世間の教育の価値も変貌し、また多様化しています。知識をつめこんでも、知恵としてつかえないのであればどうにもならないということが、はっきりと示されてきました。表面的な価値だけを育てても、「どうしたらいいと思いますか?」に答えられない価値は、意味をなさなくなります。その時代において、これからの世界を生きていく子ども達に、表面的な知識ではなく、目先にとらわれず、子ども達が本当に生きる為の底力を身に着けることができる環境を用意されることは、どの子にとっても最優先されるべきことであると思います。そして、なんとしても育つ必要のある力は、生きる為の創造力・それを発揮する為の集中力・モチベーションとなる好きの力です。そしてその力は、子ども達は皆、もって生まれてきています。アトリエはその力を引きだす学びの場。どんな状況になろうと、子ども達だけでなく、講師も親も共に、この2021年も学び続けていきましょう。
本年もスタッフ一同、よろしくお願い申し上げます。

前回のアトリエ通信に書いた部分的全体の法則についてですが、わくわく創造アトリエが骨子としているフレーベルの思想には「部分的全体」という言葉がよくでてきます。例えば一人の人間は、唯一無二の自己完結したものでありひとつの全体であるけれど、家庭の部分でもあり、家庭は家族一人ひとりからなる全体であると同時に、国を形成する部分でもあります。更に国は、それ自身が自己完結している全体である同時に、世界から見れば部分でもあります。このように宇宙に(フレーベルの時代は神の創造した世界)属する全ての存在は、1個の全体であり、全体の部分として存在していることを表現する用語として、部分的全体としています(フレーベル・ペスタロッチー辞典参照)。そして部分的全体には全体の本質が集約されており、また一つで独立して存在するものはひとつもありません。よって全てのものは孤立して存在するものではなく、全体と連なるものとして、存在することになります。その部分的全体の思想は、フレーベルが残した恩物にもあらわれており、フレーベルは球~点に至る形を通してその法則を子ども達に伝えました。一番わかりやすいのが第3恩物の8個の立方体です。一つの立方体を天地・左右・前後に8個に分割して箱収めたものですが、主立方体を分割することにより主立方体と同じ秩序を持った部分立方体が現れます。そして8個の立方体はそれ一つで完成された全体ですが、童具全体の部分でもあります。同じようにひとつの童具はそれ一つで完成された全体であり、童具全体の部分でもあり、童具は全部でひとつの世界(宇宙)がつくられるように出来ています。なので童具の作品カタログは童具の宇宙と言います。106ページに全ての童具の形のつながりが明記されているので、是非ご覧になってください。知れば知るほど深い童具の宇宙が見えてきます。

今週は三角をテーマにオブジェをつくります。楽しみにお待ちくださいね。
※アトリエの活動日の変更や、緊急事態の連絡等はほるぷ絵本館公式LINEからお送りしております。
登録をお願い致します。

2021年1月①アトリエ講師 星野由香

新年あけましておめでとうございます。今年も1都3県の緊急事態宣言から始まる1年となり、世界のコロナ状況も終息する兆しを見せず、2021年は、現代人がこれまで経験のしたことがない年となることを、誰もが予測されていることと思います。これまでアトリエ通信で「アトリエはどんな時代となっても生き抜ける力を育てる場」ということを伝え続けてきましたが、まさに今がその時ですね。既存の価値観が一変した今、世間の教育の価値も変貌し、また多様化しています。知識をつめこんでも、知恵としてつかえないのであればどうにもならないということが、はっきりと示されてきました。表面的な価値だけを育てても、「どうしたらいいと思いますか?」に答えられない価値は、意味をなさなくなります。その時代において、これからの世界を生きていく子ども達に、表面的な知識ではなく、目先にとらわれず、子ども達が本当に生きる為の底力を身に着けることができる環境を用意されることは、どの子にとっても最優先されるべきことであると思います。そして、なんとしても育つ必要のある力は、生きる為の創造力・それを発揮する為の集中力・モチベーションとなる好きの力です。そしてその力は、子ども達は皆、もって生まれてきています。アトリエはその力を引きだす学びの場。どんな状況になろうと、子ども達だけでなく、講師も親も共に、この2021年も学び続けていきましょう。
本年もスタッフ一同、よろしくお願い申し上げます。

前回のアトリエ通信に書いた部分的全体の法則についてですが、わくわく創造アトリエが骨子としているフレーベルの思想には「部分的全体」という言葉がよくでてきます。例えば一人の人間は、唯一無二の自己完結したものでありひとつの全体であるけれど、家庭の部分でもあり、家庭は家族一人ひとりからなる全体であると同時に、国を形成する部分でもあります。更に国は、それ自身が自己完結している全体である同時に、世界から見れば部分でもあります。このように宇宙に(フレーベルの時代は神の創造した世界)属する全ての存在は、1個の全体であり、全体の部分として存在していることを表現する用語として、部分的全体としています(フレーベル・ペスタロッチー辞典参照)。そして部分的全体には全体の本質が集約されており、また一つで独立して存在するものはひとつもありません。よって全てのものは孤立して存在するものではなく、全体と連なるものとして、存在することになります。その部分的全体の思想は、フレーベルが残した恩物にもあらわれており、フレーベルは球~点に至る形を通してその法則を子ども達に伝えました。一番わかりやすいのが第3恩物の8個の立方体です。一つの立方体を天地・左右・前後に8個に分割して箱収めたものですが、主立方体を分割することにより主立方体と同じ秩序を持った部分立方体が現れます。そして8個の立方体はそれ一つで完成された全体ですが、童具全体の部分でもあります。同じようにひとつの童具はそれ一つで完成された全体であり、童具全体の部分でもあり、童具は全部でひとつの世界(宇宙)がつくられるように出来ています。なので童具の作品カタログは童具の宇宙と言います。106ページに全ての童具の形のつながりが明記されているので、是非ご覧になってください。知れば知るほど深い童具の宇宙が見えてきます。

今週は三角をテーマにオブジェをつくります。楽しみにお待ちくださいね。
※アトリエの活動日の変更や、緊急事態の連絡等はほるぷ絵本館公式LINEからお送りしております。
登録をお願い致します。

2021年1月①アトリエ講師 星野由香

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先々週のクリスマスツリーづくりと先週のセメントのレリーフ、どちらも子ども達はよく頑張りましたね。ツリーはまずベニヤを5枚選び、それぞれに土台を付けて1枚づつ着色し、それから選んだ飾りも塗って、それから金と銀でアクセントを入れて発砲ステロールの雪を降らせてやっと完成です。子どもは大人のようにペース配分をせずに1枚目から全力投球して塗り出しますから、1枚めを塗るだけでかなりの集中力と体力をつかっていたはずです。その後何枚塗らなくてはいけないか・・とかは2年生くらいまでは計算しません。長距離走をはじめからダッシュしている感じですね(笑)。だから、最後の1枚を塗る時にはみんなへとへとなはず。それでも途中でやめる子はいません。だからこそ最後の最後までやり遂げる子ども達の姿に毎回こんなにも感動させられるのだと思います。

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先週のセメントのレリーフも見た目よりも大変な工程でした。はじめにセメントを絵の具を溶いた水と混ぜ合わせます。それを一人3つ作ってシェアしました。おそらく初めてつかう素材にわくわくしているのが伝わってきます。作品づくりは、色セメントをスプーンで救いトレイに入れてから、トレイを持ち上げて机に落とし、トントントンと何回もゆすって、こんもりとした色セメントが平らになるまでなじませ、それを何回も繰り返してつくりました。これが結構大変で。作品が仕上がった時にはかなりお疲れでしたが、その後のモザイク遊びでも盛り上がれる子ども達はすごいです。全ての色にセメントが入っていますから、どんな色を選んでも必然的に統一感がでる作品となりました。
※額縁の内側のセメントがはみだしている部分を黒マジックで塗ってあげるだけで作品がひきたちますのでやってみてください。
※ツリーの雪が飛んで困る方は、外で1回ドライヤーをかけて、ボンドのついていないところを吹き飛ばして下さい。

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山下先生がよく「子ども達は毎回、ひとつのものを必ずつくって帰るのがすごい」と言っていて、その当時、私は「そんなのアトリエに来てるんだから当たり前」と思っていましたが、この頃、その意味がわかるようになってきました。何もないところから、毎回、新しい物を自分で生み出して帰ってゆく、その繰り返しが何年も続くわけですから、その体験が子ども達の生きる力である想像力・創造力・集中力を育てていないわけがありません。和久共育については色々と深い洞察がありますが、作品を“必ずつくって帰る”というそれだけのことでもスゴイことなんだと今は思います。また、アトリエのカリキュラムは導入部分から作品づくりまで1時間半で完成できるようにつくられています。その為の準備、順番や時間配分・・・など所謂“段取り”をスタッフたちは頭をフル回転して考えるのですが、その実践も子ども達は見て育つわけですから、卒業達には“段取り能力”が身についていると、お母さん達からよく聞きます。それは私が考えたことのなかった視点なのですが、確かにそういう力も身につくだろうと思います。大人は色々と何のために・・・を考えてしまいますが、願うは子ども達の幸せ。ただそれだけですよね。あっという間の1年間。良いお年をお過ごしください。

☆カードのお支払いは商品のみとなっております。月謝・講座参加費・毎月分等は現金でお願いいたします。
☆ペイペイのお支払いでも5%還元ができるようになりましたのでご利用下さい。
☆5%還元事業は6月までです。

<アトリエからのお願い>
災害時等の緊急連絡・レジの顧客入力の為、電話番号とメールアドレスの確認をさせて頂いております。お手数ですがこちらの用紙にご記入頂きご提出ください。
1月18日までにお願い致します。


2019年12月③アトリエ講師 星野由香

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今、STEAM教育が話題になっていますね。この教育の方針は世界に通用する人材を育成する為に“現実の問題を解決に導く力 ”“今までにないものを創造する力 ”を育てることなのだそうです。以前はScience化学・Technology技術・Engineering工学・Mathematics数学のSTEM教育(理工系)と言われていましたが、AI時代にこそ想像力・創造力=感性が重要になるという視点から近年、先進国ではSTEM教育にArtを加えたSTEAM教育が注目されるようになりました。

子どもの世界のアートと言うと、一般的に図画工作の授業や今で言うと“プログラミングでアート”みたいな安直な感じがイメージされてしまいますが、STEAM教育の立場でのアートとは、アトリエでやっているようなことなのではないかと思います。

レオナルドダヴィンチが500年前から実践しているように、本来、アートと化学は親和性が高いものです。例えば前回の石こうレリーフは石こうが加水されたことによって発熱して硬化する化学反応です。その様子を子ども達は見て触れて作品をつくっています。積木も数量的・幾何学的また物理的要素の高い遊びであり、いずれも数式や化学式であらわすことが可能です。何よりものづくりや芸術表現によって生み出される好奇心や探求心は、新しい物を作り出そうとするモチベーションを生み出します。その力はアトリエで育つもののひとつかもしれません。

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新しいものを生み出す(創造する)為には、かなりのエネルギーがいります。何のためにそれが必要なのか、それをつくることによって何が解決できて誰のためになるのか、自分は何が伝えたいのか、そういうモチベーションがあってこそ、新しい世界を創り出す意欲が湧いてきます。そうなるためには、好きの力と本物との出会いが必要です。子どもは好きなことには、何も言わなくても何時間でも集中し、好奇心と探求心の塊になります。それはとても大切なことで、とるにたらないことのように思えても、安易に大人が子どもから奪ってはいけないことです。ただ、一つのことを本質が見えてくるまで追及するにはどうしても本物の環境が必要になってきます。安易で表面的な世界観からは、のめり込んで何かを生み出したい、本質を知りたいというエネルギーは湧いてこないからです。それでは本当の好きにはなれません。そう思った時、好きなことがみつからない、やりたいことがわからない、という子どもが多いことも納得がいく感じがしました。好きなことをとことんできる環境も、本物と出会える体験も、今の子ども達には圧倒的に少なくなっているからです。そう思うとアトリエの存在は益々貴重であると思いました。

先日のコペルクラスでは、積木でサンタさんのくる家をつくりました。どこを切り取ってもポストカードになりそうな美しい街ができました。子ども達の生み出した積木の世界は、間違いなく世界でここだけの体験です。この体験にこそ価値があり、この創造活動の積み重ねでたくわえた文化資本は、子ども達が創造的に生きてゆく為の大きな力になってゆくでしょう。また、園や学校にはない非日常が生活の中にあるということは、知らず知らずのうちに、“今、世界はここだけじゃない”という広い視野も育てています。

本物には、積木や絵の具が好きか嫌いかということを飛び越えて、子ども達を集中させる力があります。この頃そのことがものすごく大事なことなんだと思うようになりました。何をするかよりも、それが本物であるのかどうか。そこに子ども達が自分で発見し、創造する世界があるのかどうか。無我夢中になってのめり込んでいくものがあるのかどうか。身体表現や音楽活動などもふくめ自分で何かを生み出すこと、表現することが嫌いな子どもは本来一人もいません。人間の本能として自分で発見すること、つくりだすことに喜びを感じるからです。教えられるのではなく、自分で発見することが重要です。その発見の喜びが新しい創造活動を生み出します。子どもの世界に発見と創造を繰り返し探求できる豊かな時間と本物の環境があることの重要性を思います。

よく聞く話しですが、テクノロジーの急速な進展により、日本の労働人口の約49%がついている職業がAIに代替えされる可能性が高いということが言われています。そんな時代において、“やりたいことがある”“追及したいことがある”ということはすでにそれがひとつの価値になります。好きの力と本物が持つ力は、私達が思うよりも子ども達を支える大きな力となってゆくことを思います。

2019年12月①アトリエ講師 星野由香

先週は、円をテーマに石こうレリーフをつくりました。石こうを水で溶いて板の上に流してからスプーンで平らに整え、熊手で模様を付け、固まってから着色し、凸部分をヤスリで削って立体感を出して完成させました。(結構、手間がかかっています。)アトリエならではのアーティスティックな作品になりましたね。石こうの扱いも年々上手になっている気がします(笑)。

石こうが硬化する間につくったくむくむのメリーゴーランドも子ども達のアイディアに感心。ものすごく楽しそうでしたね。土台にタイヤをつけて動くようにする発想には脱帽しました。絵本の部屋にクムンダをつかった観覧車を飾ってあるので、「クムンダも使いたい」という子達がたくさんいましたが、確かにクムンダを加えたら更にすごい世界が表現できただろうと思います。

童具は全ての着尺があうようにつくられているので、みんな一緒に遊ぶことができます。積木は着尺が命です。それが曖昧だと積木ではなく、ただ木を四角く切ったもの、になってしまいます。積木はつくろうと思えばどんな着尺でもつくることは出来ると思いますが、童具に至っては、積木(立体・四角柱)だけで存在するわけではなく、点・線・面・曲線・円・円柱・正三角形・直角二等辺三角形・・・それぞれの形の童具があり、その全てにつながりと関係性があります。それがあることは子どもにひとつの世界をしめす時に非常に重要です。積木を考案した幼児教育の母フレーベルもつながりと関係性の重要性を説いています。ですから、童具館の積木は、たとえお客さんからの要望があったにしても安易に関係性のない着尺で積木はつくれないのです。基本着尺を45ミリにしていることにも意味があります。

余談ですが、今、文藝春秋のレナルド・ダ・ヴィンチを読んでいるのですが、そこにも同じようなことが書かれていました。“「自然界のありとあらゆる現象には規則性があり、一つの調和した世界を織りなしている。芸術と科学を結びつけたからこそ、彼は史上最も独創的な天才となったのだ”とありました。どの分野の人でも歴史に名を遺す一流は(ダヴィンチは一流と言うよりも神ですが)皆同じこと言いますね。真理への探究のひとつが関係性の原理にあることを思います。

そこまで追及してつくっているからこそ見えてくる世界があります。ただセンチをあわせて切って加工した木ではないのです。積木から見えてくる宇宙があります。知れば知るほど本物が見えてきます。ひとつの世界を知ることができると、他の世界も見えてきます。子ども達が幼い時から童具に触れて育つということは、そういうことなのです。私は、本物と呼べる一流の仕事を見て育つだけでも違ってくると思っています。

子どもたるものをなめてはいないからこその童具館の積木を、本物がわかる方にこそ、子ども達の手に届けてあげて欲しいと願います。

2019年11月③アトリエ講師 星野由香

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先週の幼小コピカの積木の活動は、円柱をテーマに3つのグループに分かれて、ロケット・スペースシャトル・UFOをつくりました。お迎えにいらした時のお母さん達の歓声に、子ども達も誇らし気な表情。大満足の活動となりました。こんな体験はアトリエに通っていないと中々できません。この頃、この体験こそが子ども達の能力になってゆくことを感じています。

科学者の落合陽一さんが、著書“0才から100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる学ぶ人と育てる人のための教科書”<小学館>の中で、子どもがその場でしか経験できないような個性的な体験を積み上げることについて「本物の香りを嗅ぎながら育つことで、本物の感性を磨いているのです。後で1億円を出してもこういう感性はすぐには手に入らないわけですから、こういった生の経験は非常に価値が高いことなのです。・・・・・それが何年も積み重なれば、経験値の差は2倍3倍どころではないでしょう。」と書いています。その言葉からもアトリエの子ども達は非常に価値の高い体験をしていると思いました。積木の活動の時は特にそう思います。
ある意味、和久洋三の積木はここまでこだわらなくてはいけないのかというくらいクレイジーな積木です。世界に並ぶ積木はないのですから、もはや商品ではなく作品です。本物であるということはそういうことなのだと思います。ここまでやるからこそ見えるもの、ここまでやらないと見えてこないもの、身につかないものが確かにあるのです。そしてその本物を見て、触れて、育ってゆくことで身につく能力は、繰り返しになりますが、代替えの出来ない非常に価値の高い力であると子ども達をみてきて確信しています。
そういうことを考えると6年生までのアトリエ体験で子ども達が身に着けてゆく文化資本は相当なものになりますね。是非、ご家庭でも豊かな童具環境を整えてあげて下さいね。

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今回の積木の活動では、つくりたいものによってグループになったので、男の子も女の子も関係なく、年齢もバラバラ。そんな異年齢の子ども達が、話し合いながら協力してつくっている様子を見ているのはとても楽しい時間でした。
その中で水曜日に振替で来ていた年長さんのH君と、2歳から通っている2年生のY君が二人でロケットをつくっている姿はとても印象的でした。どちらもお家でも積木でよく遊んできた子達なので積木は得意ですが、いつもと違うクラスに緊張気味。2年生のY君がリーダーになり、年長さんのH君がついてゆく感じではじまりました。
二人で積んだ積木がある程度の高さになった頃、Y君がH君の肩を後ろからつぐっとかんだのです。「えっ何?どうしたの?」と思いながらH君の顔を見ると、H君も一瞬、びっくりしたようでした。その後Y君はにっこり笑い、積木とH君の顔をみて、「ほら、今H君と同じ高さやで(笑)」と言って頭をなでたんです。H君もにっこり。とても微笑ましい光景でした。
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これは私達アトリエスタッフがよくやることです。幼児は、自分と同じ高さになると、とても喜びますから、「ほら、今○○ちゃんと同じ高さになったよ。」と必ず声をかけます。親子コピカのお母さん達もされていますよね。その時気を付けなければいけないのは、子どもが嬉しくなってしまい、高さを比べる為に顔を積木に近づけて積木を倒してしまう・・・ということです。ですから、私達は子どもの肩を後ろから持ってから言うようにしています。Y君は、小さい頃に私達からそうされて嬉しかったことを、H君にしてあげたのかなあと思いました。意識してやったことではなく自然とでてきた行動だと思いますが、自分より小さなH君を喜ばせてあげようとしたことが、とても嬉しい出来事でした。そして、Y君は私達から愛されていることを知っていたんだなあと思いました。

ロケットづくりは、殆どの子ども達が喜びましたので、感動が醒めないうちにお家での積み木遊びを楽しんでくださいね。

2019年11月②アトリエ講師 星野由香

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先日の積み木フェスティバル・絵本子育てトークでは、お忙しい中たくさんの方にお越し頂きありがとうございました。この時期は音楽会、参観日等、学校行事が多く、小学生の会員さんでお越し頂けない方も多数いらっしゃいましたので、来年は従来通り日曜日の開催で行いたいと思っています。去年と今回は和久先生の日程が合わずお呼びできませんでしたが、来年3月1日に講演会が決定しておりますので、お早目にお申込み下さいね。場所は決まり次第お伝え致します。


10月3回目、ピカソクラスの積み木の活動は、国会議事堂をつくるグループとホワイトハウスをつくるグループに分かれて行いました。どのクラスも一目見てそれとわかる出来栄えに、毎回のことながら子ども達に脱帽です。両方ともほぼ左右対称・前後対称の建物ですから、高さや幅を細かく合わせてゆく必要があります。(自由につくっているクラスもありましたが)その際、子ども達が和久ブロックの着尺を網羅して使いこなしていることに驚きました。3倍体が立方体3つ分であることくらいは幼児でも知っていますが、ウエハース(長板)やケルンモザイクなども含め色んな積木を交差して使っている場合は、どこでどう合わせていくのかは、それぞれの積み木の厚みや向きに応じて、高さや幅がどう変わるかも知っていないとあわせらることは出来ません。「直方体の半分のやつがいる」とか「モザイク二つであわす?」とか計算しているのか感覚なのか、完璧に理解している子が何人もいました。そういう姿は、物作りをするプロの専門家集団が仕事をしているみたいで、なんかめっちゃかっこよかったです。

また、あるクラスでは、仲のいい子や同じ学年の子が集まってつくるのではなく、くじ引きでどっちをつくるのかを決めました。国会議事堂のグループは3年生の女の子二人、3年生の男の子、5年の男の子、6年生の女の子という組み合わせになり、年齢もタイプも微妙なバランスのグループで、皆、無言・硬直(笑)。大抵、6年生がリーダーになってつくりますが、6年生のYちゃんは、絵や造形ならともかく、積木の活動では、リーダーになってするタイプではありません。しかも風邪のひきはじめで苦しそうです。これは無理かなあ、私が一緒にするしかないかなあと思っていたら、Yちゃんが「ここは、こうなってるからまず、この積木を積んで・・次はこう・・・ここはこれでいこう」と皆に声をかけて、ひっぱりはじめたんです。小さい時から見ているYちゃんは、決してそういうタイプではないのですが、メンバーを見て自分がひっぱるしかないと思ったのでしょうね。かといって、そう思ったからといって出来ることではありません。国会議事堂、簡単につくれませんよね?しかも役割分担で協力してつくらないといけないのですから。それぞれが手持無沙汰にならないようにも考えてあげなければいけません。それをテキパキとこなしているYちゃんの姿に、やっぱり長く通っているだけのことはあるんだなあ、アトリエの子はやる時はやるなあとしみじみ感じ入りました。ある程度のところまで作り、完成の見通しがついてきたところで、教室のはしっこで座り込んでいましたから、風邪もあるけど気力を使い果たしたんだろうと思います。本当にお疲れ様でした。私の中にまたひとつ、Yちゃんの思い出ができました。色々な場面で、子ども達の成長に感動させられます。今年は卒業する6年生が30名近くいて、皆8年から10年越しのおつきあいで、私がほぼ毎日、教室に入っていた時代の最後の子達なので、関わっていた時間が長い分、この子達が卒業したらかなり落ち込むことになりそうです。泥だらけになって彼らと走り回っていた日々を思い返しながら、お母さん達と共に私も彼らに成長させられてきたことを思う毎日です。


※土曜日16時半クラスをバス時間の関係で16時に変更することを考えております。(検討中です)ご都合があわなくなる方はご相談下さい。

2019年11月①アトリエ講師 星野由香

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9月30日から10月6日まで台湾の幼稚園に絵画・造形指導に行ってきました。全生徒で
600人いる人気の幼稚園で、まだまだキャラクターものが外壁に描かれているようなレベルの園が多い中、真っ白な壁に落ち着いた室内、モンテッソーリの教具も整えられていて、教育意識の高さに驚きました。もちろん積木やケルンモザイクも100名が同時に遊べるくらいの量を揃えてくれています。先生方も優秀で、年齢も能力にも多様性があり、動きも完璧。
先日、今、学校の先生たちの間でも話題になっている少年刑務所の精神科医が書いた「ケーキの切れない子ども達」と言う本を読みました。犯罪者となった子ども達の共通する特徴とその解決法までが、書かれています。共通する“5つの特徴+1”というような書き方がされていて、ひとくくりにしてしまうことには共感できませんでしたが、個人的感情は別としてファクトとして知っておくという意味では、聞いておきたい情報があり、かなり衝撃を受けました。結局の解決方法が“学校での訓練により、勉強が出来るようにすること”で、(そういう結論であれ何かの解決法を提示して実際に活動されていることはすごいと思います。)私はやっぱり訓練という考え方には賛同はできないのですが、一理あることは理解できます。その訓練法はなかなか興味深いものでした。
8月24日(土)、25日(日)に東京で積木の全国大会が行われました。教育者を中心に、フレーベル理論と積木の深さをより知って頂く為に、積木の歴史から積木を考案したフレーベルの恩物についてお話しした後での実践積木。和久ブロックは、フレーベルの恩物に従い、ここまでやらないといけないのか・・・というくらい理論や着尺、精度を追究しています。だからこそできる真理の探究。本物と呼べるものは、世の中そうはありません。突き詰めてきたからこそ、そこに小宇宙があることを、講師をするための学びの中で、実感しました。ここまでやらないと見えてこないものがある。ケルンブロックは積木の基礎なので、勉強すると積木のことがとてもよく理解できます。お母さん達にもお伝えしたいことがたくさんありますので、日を改めてケルンブロックの講座を行いたいと思いました。
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8月5日の月曜日、卒業生の藤本竣介くんが、中学野球の近畿大会にピッチャーで出場すると聞いて、滋賀県の皇子山球場まで応援に行ってきました。
残念ながら延長の末、0対1で負けてしまいましたが、赤ちゃんの時から6年生まで見てきた卒業生の成長ぶりに感無量。県大会で準優勝した櫨谷中学の左腕のエースとして、神戸新聞にも大きくとりあげられる程の腕前はもちろん(球が速い!!音が違いました)、それだけでなく、物事に真摯に向き合って生きている彼の姿勢が立ち居振る舞いに現れていて、遠くから見ていても立派に育っていることがわかりました。まだ中学生ですが、人間として大切にすべきことや、これからを生きる力は、しっかり身に着けてきたんだなあということを思いました。何より、好きなことを見つけてそれに無我夢中になれていることが嬉しい。キラキラと輝いていました。

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7月①の活動は、アトリエで大人気の積み木、かずの木で思う存分遊びました。はじめは1から10までのかずの木で恒例の階段づくり。階段をつくるのは、子ども達が好きな遊びの一つですが、かずの木は色のグラデーションも美しく、長さにも明確な規則性があるので、幼・小クラスでは、自由造形の時もその規則性を意識してつくる子が殆どでした。
先日、6月30日、第7回目となる子育てパネルトークで、自己肯定感を育てる言葉かけをテーマに、ディスカッションをしました。ちょうど15年~10年くらい前までは、今で言う非認知能力や地頭のように、どこへ行っても、何を読んでも、“セルフエスティーム(自尊感情)を育てることが大事である”と言われている時代がありましたが、今は、自己肯定感や自尊感情は否定的な意味でも使われることがあります。以前のアトリエ通信でも書いたことがあると思うのですが、ベストセラーとなったアドラー心理学の「嫌われる勇気」でも自己肯定感は否定的な意味で書かれていました。
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前々回、5月3回目のアトリエの形のテーマは円柱でした。球は転がるけれど
積めません。立方体は転がらないけれど積む事ができます。その二つの要素(対立的同一物)を併せ持つ媒介の形が円柱です。前々回の活動では、初めに大きな紙管に乗ったり、中に入って転がったり、円柱コースターに乗ったり、円柱の転がる要素を活かした遊びを楽しんでから、円柱の積める要素をいかした作品を作りました。円柱紙管をたくさん並べてスプレーをかけたり、スポイドで絵の具をたらしたりして、美しい画面の完成です。円柱づくしの1週間でした。

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先週の活動は、円をテーマに円弧モザイクで遊んでから、レールゴマをつくりました。ケルンモザイク円弧セットは、幾何曲線の美しさを楽しみながら、円と円弧の関係や円と半円、扇形の関係がわかるようにつくられている童具です。先週の活動でも、つい時間オーバーしてしまうくらい子ども達がはまって遊んでいました。お子さんが小さい時は、全円だけ構成されているK-10セット¥4,000と2/1と4/1がミックスのなっているKカラーミックスセット¥4,000がおススメです。おままごとの材料になったり、中心にビーズを入れるとコマにしても遊べます。大きくなったら、立体コマをつくったり、積み木の飾りしたりと色んな遊びに使えます。(子ども達を見ているとひたすら〇をつくるのが楽しいようですが(笑)
レジ横においていますので、是非、ご覧になってください。

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積み木の世界

先週、園での積み木指導で 「今日は、何、つくりたい?」と4歳児さん達に聞くと、「積み木の世界をつくりたい!!」(笑)という答えが返ってきて、意味はなさないのだけれど、子ども達の声として聞く“積み木の世界”という言葉がとても心地よく感じました。

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先週のコピカでは、まだクラス替えに慣れていない子ども達もいるので、ボールのコース遊びで、リラックスしてから、オリジナルの“たまっこ”をつくりました。
(*たまっこ 和久先生の童具)。クラスや個人により、違う作り方をしている場合もありますが、基本、パレットに黒と白、好きな色2色を選び、グラデーションで着色しました。はじめが白。そして白に少しずつ色をませて塗っていく。それから、もう1色を少しずつ混ぜる。それから、黒を少しずつ混ぜる・・・とうい感じで、とても幼児には出来そうもないグラデーションが完成していました。藤本先生、さすがです。子ども達も少しずつ色が変わってゆくのが楽しいようで、丁寧に色を混ぜて自分の色を創っていました。着色は、手の平でお団子をつくるようにして塗っています。美しい仕上がりに「先生、見てー!」と見せにくる子がたくさんいました(笑)。

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アトリエの活動は毎年、球から始まります。4月1回目のカリキュラムは“球の軌跡”絵の具をつけて転がすとあらわれる球の軌跡に(転がすと線が、弾ませると点が、押し付けると面が)子ども達は、全ての立体が点・線・面で構成されていること、全ての形が球に集約されていくこと、あらゆる球の特性を直感します。

2018年度、最後の活動となりました。6年生は今週で卒業となります。今年も、たくさんの子ども達が6年生まで通い続けてくれました。おねえちゃんの代から3姉妹、約17年間もアトリエに通い続けてくれたお母さんもいます。兄弟で通って下さっていう方も多いので、皆さん、上の子の受験や部活、PTA役員等々、このアトリエに来る時間を作り出すのは、並大抵ではなかったと察します。本当にありがとうございました。

殆どの方が、私との体験参加からアトリエとの出会いがはじまったのではないでしょうか。私は体験参加を18年間、同じやり方で続けてきました。同じことをするからこそ、子ども達が“一人ひとり、違うのだ”ということが、目の当たりにして実感してきました。また、逆にこういう部分は、どの子も同じことをする、ということもわかります。そこには、人間にとって必要な本質があるのでしょう。その中で一番、感じてきたのは、子ども達の「やらされたくない」という願いです。強弱はあるにしても、そうなるように育てたわけではないのに、どの子も“やらされる”ことに敏感で、それを心底、嫌がります。大人もそうですね。誰だってやらされたくはない。人間は、自分の意志でやりたい生命なのだと子どもたちから、教えられます。そんな生命が、やらされることばかりの日常をおくっていると、生命力がなくなってくるのは当たり前のことです。怖いのは、それが普通になると、そっちの方が楽になってくることです。

ミヒャエル・エンデの言葉 (モモ より抜粋)

遊びを決めるのは監督の大人で
しかもその遊びときたら何かに役に立つことを
覚えさせるためのものばかりです。
こうして子どもたちは
ほかのあることを忘れてゆきました。
ほかのあること、つまりそれは
たのしいと思うこと
夢中になること、夢見ることです。


アトリエの子達は幸せだと思います。
ここで集中している子達は、作品づくりも、最後の詰めまで集中力を欠かしません。その体験はこれからの人生に大きな意味を持つことを思いました。子ども時代にそういう体験をしておかないと、社会に出た時、“集中して物事にとりくむ”、“とことん追及して最後の詰めまでやり遂げる”、ということが、どういうことなのかがなかなかわかりません。大人になってからそういう姿勢を身に着けるのは非常に難しいのではないかと思います。
夢中になって集中している時の子ども達は、筆を走らせる手が、どれだけしんどくても、最後までやり遂げます。自分が納得がいくまで、集中してやり遂げた時の達成感を知っているからです。そういう達成感を知っている子ども達は、勉強が必要になった時や、社会に出た時にも、目の前の物事に取り組む姿勢が習慣づいているので、ちゃんとやらないと自分が納得いかないのだと思います。
アトリエの卒業生に、塾に行かなくても、優秀な子が多いのは、そういうこともあるのだろうと思います。最終学歴は、勉強ばかりしていた子達とさして変わりません。勉強が苦手な子も、自分の好きなことや、やりたいことをするための勉強はするようです。そしてやりだしたら集中する、とことん追及する、やり遂げる。私はこの力があるなら、どんな社会になっても、生きてゆける!と思います。これからどうなるかわからない社会で、子ども達の身を助けてくれるのは、そういう力であるように感じます。
今年の卒業生もそういう力を身に着けてきました。

ヘルマンヘッセは、人生の義務はたったひとつしかない、幸せになることだ、と言いました。
いつか幸せになる為に今を犠牲にするのではなく、
人生のどの時点においても、その瞬間を幸せなものにしてあげたいですね。その積み重ねがやがての新たな幸せをつくっていくのだと思います。

2018年度、大変お世話になりました。2019年度も、子ども達の居場所としてのアトリエとなれます様、精進してまいります。これからもよろしくお願いいたします。

※別紙の月謝の値上がりは大変心苦しいのですが、ぎりぎりまで考えた苦渋の決断です。
何卒、事情をご理解頂き、ご協力頂ければと思います。

2019年3月③アトリエ講師 星野由香

先日の日曜日、体験参加の予約がキャンセルになり、長くつ下のピッピ展に行って来ました!!
長くつ下のピッピは、私の子ども時代に最も影響を受けた児童文学です。視界に入ると読んでしまうので、母に「これ、隠しといて!」と頼んだくらい何回も読みました。私が読んでいたのは、岩波書店版で、ピッピ展のイラストとは違うのですが、どの場面もお話しがよみがえり、懐かしさがこみあげました。
ロッタちゃんややかまし村の原画もあり、ピッピのドールハウスの設置など見応え十分でした。とりわけ感銘を受けたのは、映像のエリアの壁に貼ってあったリンドグレーンの言葉。
(“ ”はリンドグレーンの言葉を引用)

“子どもたちに愛を、もっと愛を、もっともっと愛を注いでください。
そうすれば思慮分別がひとりでに生じてきますから“

子どもの側に立つ人たちは、皆、同じことを言います。しつけしつけと思うよりもたくさんの愛を注いであげて下さい。そしてリンドグレーンの子ども時代のように、

“遊んで遊んで遊び死にしなかったのが不思議なくらい”

子ども達と一緒に遊んでください。楽しくて楽しくて仕方がない時の子ども達の五感が解放されている空気を 共に感じることができた時、“遊び”から彼らが何を得ているのかを 肌で感じることが出来た時、子ども達の生きる力を信じられます。子どもにとっての遊びは生きることです。その環境は、12歳までは、保証されるべきだと私は思っています。

“長くつ下のピッピ”のピッピ・ナガクツシタはとにかくハチャメチャで突拍子もなくて、大人になってから読むと、それって読んで大丈夫?と疑いたくなるような内容ですが、20世紀を代表する児童文学、世界中で絶賛されています。スゥエーデンの子ども達は皆、ピッピを読んで育ちます。とことん子どもの側にたったピッピのお話しは、

“もし誰かの悲しい幼年時代を明るくすることができたなら私は満足です”

というリンドグレーンの思い、ただただそれだけです。以前にお話したことがあると思いますが、私がこの生き方を選んだのは、子ども時代にピッピとの出会いが会ったからだと、大人になって読み返した時に思いました。子ども達の日々をもっとわくわくしたものにしたい。ピッピと出会った時のトミーやアンニカのように、子ども達にとってのアトリエとの出会いが刺激的なものになればと思います。
自分のルーツはここにある、という物語をもっているのは幸せなことです。決してうらぎらない友人が一人いるようなものです。たくさんの子ども達に、そういう出会いをさせてあげたいですね。

2019年3月①アトリエ講師 星野由香

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先週のブラウニー、おいしかったですね。間につくったプラバンも大好評。
結構メジャーな遊びだと思っていたのですが、はじめてした子が多く、ものすごく喜んでいました。親子クラスの子ども達も興味津々だったのには驚きです。意外とあなどれない遊びなのかもしれません。

今回、皆さんにお配りしているのは、朝日子ども新聞の記事のコピーです。イジメというのは不思議で、イジメはいけないとわかっている人が圧倒的に多いというのに、クラス全員で一人を無視するというような事がおこります。こんな卑劣な行為がなくならないのは、どういうわけなのだろうと思います。首謀者はいるにしても一緒にやっていたら、同じ罪です。同じくらい品格の低い行為です。皆がやっているのに自分だけやらなかったら、その子をかばったら、今度は自分がいじめられる、というのはよくある話しですが、何も真正面から対抗していくだけしか方法がないわけじゃない。その時は皆にあわせていても、こっそり先生に言ってあげるとか、お母さんに手伝ってもらうとか、影でいじめられている子を助けてあげる方法だってある。それは、小学生には無理って思われる方もいるかもしれませんが、大半の子にとって高学年なら無理なことはありません。もちろん状況によるけれど、大人の目を盗むことにかけては、子ども達は神業を発揮するのですから。そのくらい立ち回れる知恵がなくてどうする、というのが私の気持ちです。いじめられている本人はそれどころじゃないのだから、周りが少しでも助けてくれたら、それだけで大きな力になります。
いじめられることは、恥ずかしい事じゃない、いじめている人間が恥ずかしい人間です。
いじめられても自尊心を傷つけられてはいけません。いじめる人の目的は、自尊心の持てない自分と同じ低さに、人をひきずりおろすことなのですから。
私はいじめに対しては全く寛容になれず、こういう言い方になってしまいすみません。
今も昔もかもしれませんが、子どもは大きくなると、いじめられていても親には言わない子が多いです。親は思春期で口数がへったのか、何かあったのか見極めるのは難しくなります。親との信頼関係の問題ではなく、ある子になぜ言わないのか聞いたところ「言えるわけがないいやんか」とかえってきました。と言えるわけがない、んじゃしょうがない・・・けど大人が味方にならないと事態が変えられない時もある。たとえ子どもから相談されたとしても、親もどうしていいかわからないこともある。そんな時のために参考になればと思い、この記事を配ることにしました。お子さんが小さいうちに、親子で、“何かあったら必ず親に話すこと”を伝えていてくださればと思います。今、あんまり根ほり葉ほり聞いてはいけないという風潮もありますが、根ほり葉ほり聞くのと、お子さんの話しをゆっくり聞いてあげるのとは違いますから、そこを勘違いしたら本末転倒です。お子さんが大きい方(中・高学年)は、この記事をきっかけに親子で一度、学校の状況などを話してみてください。そして、親からすれば当たり前のことなんだけれど、「あなたに何かあったら必ず助ける。」ということを、あらためて言葉にして伝えてあげてください。「母親というのは、我が子を命がけで守るものなのだ」ということを伝えてあげて下さい。万が一の時、苦しんでいる時、その言葉を思いだすはずです。

2019年2月③アトリエ講師 星野由香

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先週の作品は、皆、かっこいい仕上がりになりましたね。粘土に型押ししたり、ペンキを塗ってまたヤスリをかけたり、結構、大変な作業が続きましたが、どれも楽しそうにやっていました。(ヤスリのほこりが残っている場合は、乾いた布や歯ブラシ、筆などで落としてください。水でさっと洗っても少しペンキが剥げますが、きれいにとれます。)同じ工程でつくっているので、個性の出にくい作品と思いきや、子どもがつくるとやっぱり、“皆違って、皆いい”になりますね。
こうゆうアーティスティックな作品を子ども達はどう感じているのだろうと、水曜2年女子の会話に耳を澄ましていたら、
「コレ、なんか工場みたいやな」とRちゃん。
その語り掛けLちゃんの返しが「何世紀の?」(笑)。
普通、何世紀ってなりませんよね。
それに対してRちゃんが「22世紀」。
Lちゃんが「未来なんや」と会話が続き、
Rちゃんが「未来の建物はみんな寒色系になっているやろね」
そこで私が「えっなんで?」と口を挟みました。
Rちゃん「温暖化で熱いから、見た目だけでも涼しくする為に、建物は寒色系になるかなあと思って。」

なんて文化的で知的で優雅な会話なんでしょうね。豊かな言葉と豊かな感性が紡ぎ出す会話は、聞いている方の心も格を一段、上げてくれます。きっと、アトリエでしかできない会話なんだろうなあと思いました。ピカソクラスで本の話しをする時も、子ども達は楽しそうです。私もそうなんですが、自分が読んだ本の話しが出来る相手を見つけると、ものすごく嬉しくて会話が尽きません。それは、相手が大人であっても子どもであっても同じです。本が好きな人は本の話しになると人が変わりますよね。胸の奥にあったたくさんの本棚から、次々と本をとりだしてゆける喜び。子ども達にとってのアトリエはそんな感じなのかもしれません。同じ文脈を持つ友達と話しができたり、同じ空間を同じ空気で感じとれる子どもが集まる場所でもあるのではないかと思いました。上記写真は、その会話の2年女子と男子が、お互いに声優のように担当の役を演じて読んでいるところです。(“オレ、カエルやめるや”大好評でした。教えてくださったお母さん達、ありがとうございました。)感性が豊かで感受性が強い子ども達ほど、低学年の時は中々の苦労しているようですが、客観思考の芽生える3・4年生になると、自分と周囲の折り合いがつけられるようになってくるものなのだと、アトリエの子達を見てきて思いました。
今の時代は、子どもの世界もわけがわからないことでいっぱいです。昔もそうだったのかもしれないですが、変化のスピードと情報量が違うから、予測もつかないし、自分の体験が参考になりません。子ども達が苦しい立場に立たされてしまった時、どういう対応が正解なのかわかりづらくなってきました。こういう時代だからこそ、子ども達の心にゆるぎのない“核”を創ってゆかなければなりません。心無い人達の言葉や態度で、自尊心を打ち砕かれてしまわないように、心の深いところで感じたり考えたりできる言葉や物語にたくさん出会っていて欲しいと願います。もちろん、色んな体験をしたり、色んな人に出会うことも大切です。ですが、一人の人生で出会えることには限りがあるのです。今お子さんが、今年の年長さん、1・2年生の方に、読んでいて欲しい物語のリストをお配りしています。是非、子ども達に、生きる力となる本への扉を開いてあげてください。

2019年2月②アトリエ講師 星野由香

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1月3回目の積み木は、立方体の箱をそのまま土台にして、動かないように三倍体角柱を差し込み、その上にわくわくトレイをのせて一人一軒、お家をつくり、皆のお家と繋げてゆきました。こういう時、わくわくトレイが活躍しますね。4枚くらいあると色々発想が広がるのではないかと思いました。家々が隣り合うオシャレな屋根の連なりが、古いフランス映画の街並みのように仕上がったクラス、駅がたくさんあって、線路がつながっているように見えるクラス、高速道路・公園のある住宅街など色々でした。

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まるで物語を紡いでゆくように、子ども達のイメージが形になってゆきます。つながる積み木・つながる心。アトリエは想像の世界が創造されてゆく瞬間の連続です。子ども達がつくった積み木のひとつひとつにお話しがあります。だからこそ、子ども達は自分でつくった積み木で遊べるのでしょうね。今回のような活動ではお人形が大活躍します。(ピカソクラスの子達もお人形大好きです(笑)。)

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先日読んだ絵本の読み聞かせについてかかれた本の中に、“日常生活の中で、子どもがしょっちゅう触れているものや見ているものが、子どもの成長に大きな影響を与えるのだということを忘れないでください。”という言葉がありました。私も、子ども達の1歳くらいから6年生までの成長を見ていて、ものすごく感じることです。本物を見て育っている子は、偽物やいいかげんなものを見た時、なんか変だって気づきます(多分、教育に関しても)。全ての物を本物で揃えることは難しいですが、子どもが最も触れる機会のあるおもちゃ(積み木)や絵本は、本物を選んで欲しいと思います。お母さんが何を選ぶのかは、お母さんの価値観やその家の文化として子どもに伝わってゆきます。

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WAKU-BLOCKは自信をもって子ども達の手に届けることの出来る童具です。品質という意味だけでなく、積み木の考案者であり、幼児教育の母でもあるフレードリッヒ・フレーベルの原理に最も忠実につくられた積み木たる積み木です。スイスのネフ社(クルト・ネフ クラーセン キーナ)と童具館(和久洋三)を超える積み木はないと思います。白木に関しては童具館の積み木が圧倒的ではないかと思います。値段もなのですが(笑)。また、アトリエのカリキュラムはフレーベルの実践です。お渡ししている「親と子の共育①~③」は是非、お読みくださいね。お持ちでない方は在庫がありますので、お声かけください。

2019年2月①アトリエ講師 星野由香

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☆元町にあるギャラリーヴィが主催している絵話塾での卒業作品「おまえらしっとるか?」を記念に製本しましたので是非、もらってください。もっと清書をしてからと思ったのですが、そうなると中々しませんね。自分で言うのもなんなんですが、めっちゃおもしろい!!と私は思っています(笑)。子ども達と一緒に楽しんで頂けたらと思います。

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先週の幼小コピカでは、正六角形をテーマにケルンモザイク六角の構成してから、色粘土で正六角形のレリーフを作成しました。色粘土は、軽量粘土にポスターカラーを混ぜて、しっかりこねて一人5色くらいつくってから、綿棒で伸ばし、正三角形に型抜きしています。はじめのモザイク構成は、360度回転図形を50分ほどかけてつくったクラスもありました。
最初はいいのですが、形が広がるとどんどん複雑になってきます。あの人数であの大きさはとてもじゃないけど無理じゃないかなあと思いましたが、さすがは図形好きのアトリエ申し子たちと藤本先生。
全員にやり遂げた感があり、感動的でした。時間があれば、条理の世界と不条理の世界の両方をやってみたい活動です。

※今回使ったケルンモザイクは、カタログP68のケルンモザイク45六角mix
\19,000です。パターンボード六角\2,900とあわせてお求めください。

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3年生以上のピカソクラスは、積み木で日本の世界遺産をつくりました。この子達は、家庭でも積み木と共に育ち、アトリエ経験も長い子が多いので、放っておいても出来ることはわかっているんですが、それにしても“すごい奴らだ”と感心しました。作品を見て「荘厳な感じがする」と言ったあるお母さんの言葉。それはそのまま作っている時の子ども達の姿にもおくりたい言葉でした。長年通われている保護者の方たちはこの完成度に慣れてしまっているので、それ程の感動はないのですが(笑)、初めて見た人は驚かれると思います。実は大変なことがこの教室でおこっている、くらいの出来栄えです。(土曜日一日分をインスタグラムにあげています。是非、ご覧になってくださいね。)しかも1時間半でいきなりつくっていますから、相当ですよね。これだけの世界を知っている子ども達が、小さくまとまるわけがない。子ども達の本来持っている力と彼らが体験してきた本物が持つ力を感じました。幼い頃からしっかりとつくりあげられた土台の力、この力は、あらゆる局面で底力となり子ども達の人生を支えてくれるはずです。子ども達を信じるのも親の力だと感じます。

今週は下のクラスが積み木です。是非楽しみにお待ちください。
※雨降る本屋の日向理恵子先生の座談会&サイン会は定員となりましたが、キャンセル待ち多数の場合は、14時からも計画中ですので、お申込みしてくださいね。

2019年1月③アトリエ講師 星野由香

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今年1回目のアトリエは直角二等辺三角形をテーマに、立方体を45度に分割構成をして作品をつくりました。最初に、下写真にもある三角形の積み木ケルンブロックC2で自由に遊んでから、ケルンブロックと同じ1・1/2・1/4と分割した三角の和紙を、3種類の濃さの墨汁と2色の彩液で染めて立方体に貼り付けました。大きさの違う三角を“形体の秩序に沿って”配置してゆくのは難しいのですが、はじめに同じ分割の積み木で遊んでいるうちに、要領を得たようで、思っていた以上に理解していた子が多かったです(例えば1/2の三角なら二つで□ですが、1/4なら4つで□、1は隣の面に広がる)。発泡スチロールの立方体は手に絵の具をつけて塗りました。1回のアトリエで、子ども達は色んなことを体験し、アウトプットできる身につく知識を得ています。

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今週は全員の顔を見たかったので、久しぶりに全ての曜日に参加しました。日曜日の親子クラスは、1年ぶりに時間いっぱいは入れたのですが、子ども達が成長していてびっくり。2歳から3歳の1年は大きいですね。その中で、私にとっては、1歳の時の印象が強い自由人のF君。3歳になったばかりで、前回ちらっと見た時は、とても落ち着いた印象でしたが、今回会ってみると、自由人ぶりは健在(私にとってはそれがとても嬉しい)。
なのだけれどやっぱり1歳の時の自由さとは違うんですよね。1歳の時は本当の自由。でも今は、不自由さを感じつつ、ものすごくわかってやっていました。アトリエ中に戸棚を開ける時も、本当は“今、あけちゃいけない”とわかってやっている。そこからビーズのはいったケースをとろうとした時も、“本当はダメ”ってわかっている。
片手でとろうとしたので「両手でとらないと、おとすよー」って言ったら、ちゃんと落とさずとれて得意顔。でも油断してその後ガシャーンと落としてしまい散らばってしまったビーズ。「片付けといてねー」って言って、側で見ていたら、知らん顔でそのビーズで遊びだしたF君。でも、心の中がまるで見えるみたいに、“この状況をどうしようか”と考えているのがわかりました。

こうゆう時の子どもは、自分でも“やっちゃった”って思っているんですよね。でも、かと言って大人の思い通りになりたくない。片付けないといけないのはわかっているけれど、言われた通りにするのは嫌、“ほらみたことか”なんて思われたくない。なんだったら、わざと落としたんだよ、くらいに何事もなかったようにふるまう子どももいます(笑)。

F君はこの状態をどう収拾するのか、そして私はどうしたらいいかな、と考えながら見ていたら、はじめはビーズを積んだり並べてりして遊んでいたFくんは、そのうちケースをお鍋に見立てておままごと。「お豆さん入りまーす。次は人参でーす。」とか言いながら、結局、全部のビーズを入れて、片付けたのと同じ状態になりました。すごくないですか?大人の思い通りにならずに、自分の正当性もしめす見事な解決方法に、私も感心してしまいました。私自身がどう対応しようかなあと考えていたから よけいに“すごい!!”と思いました。

子ども達が悪いことをするときは、悪いことであるという自覚をもってやっていることが多いですよね。かまってもらいたくてやっていることも多いです。子ども達を見ていると、殆どがそうでないかと思います。それと、大人への反抗。それは自立へのステップ。なので“これもしつけだから”“悪いことは悪いと教えなくては“とあまり頭ごなしに押さえつけてしまうと、自立への契機を奪ってしまうどころか、それがたまりにたまったら本当の悪につながりかねないと思ったりもすることもあります。子どもがわかっていて悪いことをした時の大人の対処は、その子の人生にとって大きな意味をもつことがあるかもしれません。
創造性の高い子は自立的な子が多く、反抗の程度も他と異なる、のだそうです。(河合隼雄著 子どもと悪 より)。親は大変ですが(笑)、そんな彼らが、そのまま創造性を発揮して生きていってくれたらと思います。

今年も、子ども達の創造力が全開するアトリエでありたいと思います。このところ、2020年の大学入試改革に伴う教育改革の話しがよくでていて、それに対応した塾なども出来てきているそうですが、アトリエはもともと知識活用型の教育。そして、そういう教育は、付け焼刃で出来るような表層的なものではありません。やる方も、学びと覚悟が必要です。
これまでどおり、本来、子ども達が持っている潜在的な力を信じて、今年も子ども達の心に沿い、共に見守ってゆきましょうね。

2019年1月①アトリエ講師 星野由香

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12月1回目の親子・幼小コピカでは、円柱をテーマに光のオブジェをつくりました。1歳~3歳の親子コピカでは、つるつるして塗りやすかったのか、皆、絵の具に集中。1歳になったばかりの子も絵筆を夢中で走らせていました。

その前に幼小コピカでは、二人一組で段ボール電車に乗って鬼ごっこ。藤本先生が鬼になって追いかけるのですが、それが見ていてめっちゃおもしろい。子ども達も「キャーキャー」と歓声をあげて逃げまどい大笑いで倒れ込んでいました(笑)。見ていると藤本先生が、子ども達の動きを予測しながら、とまったり向きを変えたりして、子ども達の導線を確保しつつ追いかけているのがよくわかりました。子どもが危なくない程度に楽しくこけられるように計算して動いているんですよね。動画で見ているとそれがよくわかりました。その運動神経と勘の良さ、また、それぞれの子どもの性格や特徴をよくわかっていないとできないなあと感心してしまいました。子ども達、全員の心が喜びに満ちている時の熱気のような独特の空気。その空気を感じることができるかどうか、そして自らもその一員になれるかどうか、それは子どもと接することを仕事に選んだ人のもっとも大切な資質の一つであると思います。先生と子ども達がひとつになった時のアトリエは最強ですね。

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今週は、クリスマス限定モザイクの最後の注文を承っております。迷っている方は、星野までご相談くださいね。今年は六角形の世界と円・線がセットされています。購入されてお家で遊んでいる方のお写真をインスタグラムにあげているので、是非、ご覧になってください。最初に紹介しているRくんは、積み木も揃っていて童具専用の棚をパパがつくってくれました。図形的なセンスがあり、誰もおしえなくても正確な点対称や360度回転図形をなんなく遊びの中でつくっていました。動画は、玉ころがしのコースをつくっています。コースづくりは、先を予測してつくらないといけませんから、思っているよりもやってみると難しく、かなり頭をつかいます。アトリエのお母さんから教えてもらったのですが、将棋と同じ脳を使うみたいですね。他にもお父さんの誕生日ボードをつくったり、11月にお配りした絵本を見てつくったり、お友達のゲームにでてくるキャラクターをつくったり、盛沢山で遊んでくれて、お母さんも「買ってよかった」と大満足してくださいました。次にご紹介しているМ家は、3人兄姉妹が同時に使えるように、ボードをLサイズのイーゼル付きにして玄関スペースにおいています。昔の人の暮らしをつくっているんですが、発想がおもしろいんです(笑)、是非、見てください。

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マグネットモザイクは積み木よりも、取り掛かりやすい遊びができるので、手持無沙汰な時、ほっとしたい時に、なんとなく遊べるのもいいのかなあと思います。後、年齢を選びません。中学生も楽しんでくれています。また、絵を描くのが好きな子は、違う表現の仕方で絵が描けます。玉ころがし系はどの子も好きなので、お母さんも一緒にコースをつくって遊んでも楽しいです。結構、ハマりますよ。

私が何よりすごいと思うのは、60度・120度の世界が正確に網羅されていることです。ここまで正六角形の秩序を追究してつくっているおもちゃは、ヨーロッパからの輸入品を含めても日本では1社、童具館だけです。小学校の図形から六角形はでてくるのに、それまでさわることもなく、いきなり紙面で図形の理解を求めるのは本当は無理がありますよね。正六角形は、ハチの巣のハニカム構造や、遺伝子、雪の結晶、亀の甲羅など自然界にも多く、そこには何かの意味があるのだろうと思います。その何かを追究してゆくのが科学する心であり、きっとその心は、幼い頃にその核ができ、やがて種となって芽がでる日がくる。その核を作る為に、幼い頃から正確な形をさわって育つことにも何らかの意味があるのではないかとこの頃、考えます。童具館の積み木をはじめとする童具は、何もそこまでやらなくてもいいんじゃないかというくらい追究されています。作品ならいいんだけれど、商品として考えた時、あまりにもコストも労力もかかりすぎているので、私は和久先生に「そこまでやらなくてもいいんじゃないですか?」と言ったことがあります。少しくらいのことなら、お客さんは安く買えるほうがいいと思ったのと、その違いはよほどの人でない限りわからないからです。本当に見ただけでは全くわからないことや、どうしてこの積み木の数はこの数でないといけなくて、この形でなければならないのか、どうしてこの角度が必要なのかなど、学べば学ぶほど、童具の世界は次から次に学ぶべきことがでてきます。私も今だに“そういうことだったのか”と気づくことがあります。だからコストを下げる為に少しくらい何かを省いたとしても十分に製品になるし、そうしたとしても世界一の積み木としての哲学も品質も保たれます。
でも、和久先生の答えは「少しくらいならいいかって思って少し省くとするでしょ、そしたらその次にまた少しくらいいいかってなってしまう。そうしているうちに全く違うものになってしまうんだよ」。その言葉を聞いて、私もはっとしました。ひとつのことを追究し続けて、見えた世界を、見えているのに帳尻のいいところで妥協してしまったら、本物がこの世に残らなくなります。もちろん、企業である以上、働いている人もいるのだから、存続してゆく為に経営を考えることは必要です。でも、“これじゃあ商売にならないんだから、少しくらいいいじゃないか”という姿勢になってしまうと、本物を作る人がいなくなります。こういう企業や人がいなくては、哲学も技術も次世代へとつなげることはできないのだということを思いました。

今年も、大きな事故もなく、皆、元気にすごせたことに感謝して、新年を迎えたいと思います。良いお年をお過ごし下さい。

2018年12月③アトリエ講師 星野由香