長いお休みでしたが、皆さんお元気にされていますか?この間に急に暑くなってきましたね。
アトリエでは夏アトリエの準備に入り、もう8月ではないかと錯覚するくらいでした。
今年の夏、とても楽しいカリキュラムが作成できました。是非楽しみにお待ちくださいね。
アトリエ会員のご兄弟様の優先予約も受け付けておりますのでお早目にお申し込みください。

<発達年齢に沿った子育て>“”子育てのターニングポイント
子ども達が一番調子を崩す5月が過ぎ、どのクラスもだいぶん落ち着いてきました。
また運動会の練習がはじまると子ども達も疲れ気味になります。年間を通して子ども達の様子も違うように、子育てにはいくつかの乗り越えなくてはならないターニングポイントがあります。まずは2歳児反抗期、それから4歳児パニック(人間は生きるのに必要なことをだいたい4歳くらいまでに習得します。膨大な量の情報が入ってくるのですから、それは大変なことですよね。)、そして3年生になると9歳の壁があり、ギャングエイジへ。そして5.6年生で迎える思春期の入り口。いずれも人が変わったようになる子もいて一瞬、戸惑いますが予めそういう時期だとわかっていれば安心して対応できます。
ひとつ気を付けなければいけないのは、学校で何かあって様子がおかしいのに成長年齢のせいだと勘違いしてしまうことです。そういうことには気を付けつつ、あまり神経質にならずにお子さんと向き合っていきたいですね。

<専門書に書かれていないターニングポイント>一番大変なのは2年生
専門書とか育児書には書かれていないのですが、アトリエを開校して22年、長年1歳半から6年生までの子ども達と接してきた体験から導き出した自論では1歳から6年生までの時期で2年生が一番ややこしいのではないかと私は思っています。普段、まじめで素直でやりやすい子ですらよくわからない行動や言動が続いたりして、これはもう殆どいいがかりではないかと思うくらいの不平不満がさく裂しています(笑)。とくに男子。2年男子はほんっとにややこしい。そして今年のアトリエは2年生男子がものすごく多い、そして全員が濃い(笑)。アトリエの先生は受け入れてくれるとわかっているのでしょうね。みんな言いたいことを言っています。全身から放出されるエネルギーがすごい。6年生まで通っている子もこのくらいの時期に一度、アトリエやめる~とか言うこともあるのですが、4,5年生になるとなんであの時そう思ったのかわからへんと言っています(笑)。

おそらく守られていた幼児期が過ぎ、わけのわからないまま小学生になって余裕のないまま2年生になり、ふと周りが見えてくる時期なのではないかと思っています。
お父さんやお母さん、これまで接してきた大人たちから教えられてきた物事の善悪が通用しない小学生男子の理不尽な世界。本当は自分が正しいのに、正義はこちらにあるのに口の悪い方、乱暴な方が勝つ。仲間だと思っていた子が人数の多い方につく。個性を出して自分らしく振舞うと変な奴扱い。そしてその感情や出来事をまだうまく人に話せない。男の子はそういう世界で日々、かなり葛藤しているのではないかと思います。

いろんな自分をためしながら、自分を好きでいてくれている大人にちょっと乱暴なことを言ってみたり、悪いことをしてみたりして自分づくりをしているんだろうなあと思います。だからか怒られた時に「やっぱり」という顔をしているのがおもしろい。それとあらゆる臨界期(説)の終わりがこの時期にくることも関係しているのかもしれません。臨界期(説)というのはモンテッソーリで言う敏感期で、ある能力が飛躍的に成長する時期のことでその時期を超えると成長がしづらくなるという説のことです。小脳の発達臨界期が8歳と言われています。

何年か前、私の持論と同じことを言っている方の本を読みました。“心の基地はお母さん”という本の中に2年生が一番あれるという内容が書かれています。とてもいい本ですのでご興味のある方はお読みくださいね。

3年生くらいからは客観志向が芽生え、自分はクラスの中でどのくらい勉強ができるのか、どのくらい運動ができるのか、友達から人気があるのかなどがわかるようになり、お母さんや先生のことも同じ他の大人と比べてどうなのかを客観的に見るようになってきます。そして急速に親よりも友達同士の世界に重きをおくようになり、いわゆるギャングエイジや9歳の壁と呼ばれる年齢へと突入していくわけですが、2年生はその準備期間に入り自分の中の変化に対応しようとしている年齢なのかなあと思います。臨界期の終わりを迎えやり忘れたことを必死でやっているのかもしれませんね。いずれにせよ子ども達がどんな状態になっても焦らず迷わず見守っていきましょうね。

2022年7月①アトリエ講師 星野由香