先週は子ども達のケルンブロックで遊ぶ姿に感動の毎日でした。ケルンというのはドイツ語で種子を意味します。ケルンブロックは、箱に入った3㎝基尺の積木で、幼児教育の母フレーベルのGabe恩物をもとに、和久先生が整理して忠実につくられた童具です。色んな積木がありますが、積木の考案者であるフレーベルの思想にここまで忠実につくっている積木は和久ブロックだけです。

今回は立方体4個・直角二等辺三角形8個を組み合わせて、一つの三角形・次は二つ・4つという風に色んな三角をつくって遊びました。これがハマるハマる。親子・幼児・小学コピカ全てのクラスで子ども達が夢中になりました。それからの見立て遊びとパターン遊びも盛り上がりました。6㎝の立方体として箱からでてくる形が、ひとつの三角形に変化してゆく様子は、子ども達からすると不思議の宇宙です。先生が前でやって見せると拍手喝采があがったクラスもありました。ですから、お家で遊ぶ時にケルンブロックがなく45㎝の積木を利用する場合は、はじめにひとつの立方体として渡してあげるのが重要です。

どうしてできるの?はやくやってみたい!!と好奇心いっぱい興味津々の子ども達の目はキラキラと輝いていました。水曜日の親子クラスでは振替が多く二人になり、私も一緒になってじっくりゆっくり遊んでいたのですが、気が付くとこの遊びだけで40分。飽きることなく遊び続けた二人の子ども達の能力に感心してしまいました。

幼児・小学生もじっくりケルンブロックで遊んだので、次に遊んだ8個の三角形も遊び方がいつもと違っていました。正方形と長方形をつくったり、三角と四角をつくったり、空間の正三角形をつくったり、より形を意識した遊びへと展開していたのは興味深い変化でした。
アトリエは形をテーマにしていますから、幾何学的・数量的遊びも多くなるのですが、子ども達のこういう姿を見ていると、人間はそもそも図形が好きなのではないかと思わされます。

この遊びにより、子ども達は『量の保存』の概念を直観しています。“量には移しても、分けても、形を変えても、全体の大きさは変わらないという”性質があります。(算数教育指導要領から抜粋)つまり“ものの数量は、その形が変わっても同じままである”という重要な概念です。子どもにより違いますが、ピアジェの有名な「思考発達段階」によると7・8歳くらいから獲得できる能力だそうです。私は子ども達との実践が先で、後で知識と照らし合わす順番になるのですが、それがピッタリと合致した時、学問の普遍性に感銘を覚えます。なぜ、勉強しなくてはいけないのか、私のいまのところの答えは。普遍を学ぶ為、つまり物事の本質を知る為なのだと思います。もう少し優秀ならそれを基に新しい知を生み出す為・・と言いたいところなのですが(笑)。

それからの富士山づくりですから、集中しないわけはありません。こういうことがしたいが為に特注した塩化ビニール板のミラーが役立ってよかったです。今回も驚きと感動のアトリエでした。
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2020年1月②アトリエ講師 星野由香