2月に入り6年生達はいよいよアトリエ人生のカウントダウンとなりました。「後○回でアトリエが終わってしまう。」と毎回嘆いてくれて、子ども達から愛されるアトリエであれたことを嬉しく思い、また、そう思ってくれている子ども達、お母さん達に感謝の気持ちでいっぱいです。
先週のピカソクラスは、子ども達が楽しみにしていた壁画の作成。毎年、畑先生が頭を悩ませながら1年をかけて考えてくれています。曲線をテーマに15㎝×180cmのスペースに自由に描いているのですが、隣の人が描いた絵の線とあわせて描いているので、全体の作品がつながっています。


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曜日もクラスも違う3人が描いた壁画の一部ですが1枚の絵のように見えます。


関係性とつながりはアトリエの重要なテーマです。アトリエのカリキュラムは、学校の授業のように1時間目は国語、2時間目は算数というように、違うことをすることはなく、例えば先週の親子コピカで言えば正三角形をテーマに六角モザイクでパターン遊びをしてから、正三角形の和紙に白ペンキをつけた板で、三角の形がつくれるようにスタンプをして、お部屋ごとに着色してから正三角形のオブジェをつくる、というように活動の流れに関係性とつながりがあります。そして次週の活動にも途切れることがないように関係性をもたせています。アトリエは開校当時の20年前からフレーベルの教育哲学に沿いそうしてきていますが、2020年度からの学校指導要領を読んでいると、学校もそちらの流れになってゆくようですね。園でも設定保育から、子ども達の自主性を重んじるコーナー保育が広がりを見せている印象です。これからの日本の教育がどう変化してゆくのか楽しみにしているところです。

ピカソクラスの壁画は、場所を決めずに描いていますから、後の方の金・土曜日の子達は左右のどちらにも線をつなげて描かなければいけない場所になる子もいました。全く違うタイプの絵の場合、それをあわせるのは非常に難しく、どうしても絵が途中で途切れたようになります。そうなることを踏まえているのでそれはそれでいいのですが、そこを見事に調和させてくれた子がいます。6年生のT君は、どちらかと言えば空気を読むのが得意ではなく、人にあわせることも苦手なほうなのですが、そんな彼が誰よりも見事に左右の絵をあわせて描いたことに大感動しました。絵を描くというツールを使えば、これ程までに協調性を発揮することができる、これはすごい才能です。私にとっての大発見でした。何年アトリエをやっていても子ども達からの発見はつきません。子ども達に学び続けている毎日です。

今週は、コピカは直角二等辺三角形の石こうレリーフ、ピカソは、ジャクソンポロックの抽象画を作成します。子ども達からの新たな発見を楽しみにお待ちください。

※和久先生の講演会が満席となりキャンセル待ちの状態となっていますので、当日、予定ができた方はお早めにお知らせください。

※キャンセル待ちはアトリエ会員・ご紹介者を優先していますので、お早めにお申込みくださいね。

2020年2月②アトリエ講師 星野由香