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今年も子ども達の夏がやってきました。夏はまるで別人になったかのように、子どもを成長させてくれる季節でもあります。そんな夏だからこそ、心がふるえるような奥深い体験をさせてあげたいですね。たった一度しかない子ども達の短い夏。今この瞬間が喜びに満ちた時間となるように過ごさせてあげたい、アトリエスタッフの願いです。たとえ親であっても、その子の一度しかない子ども時代を奪う権利はありません。是非あせらず迷わず、お子さんが輝いている、この子の目が生き生きとしている、という時間をつくってあげてください。そして時々はぼーっとする時間も大事です。子どもは退屈な時間に色んなことを考えたり、思いついたりしています。そういう時に自分の夢や、やりたいことがなんであるのかが、ふと思い浮かんだりするそうです。いくら子どもの為の時間でも忙しすぎると振り返る時間がなくなるので、退屈時間も大事にしたいですね。最近はその時間はユーチューブにとられてしまいますが。先日読んだ脳科学者の方の本に書いてあったのですが、男の子の脳は女の子よりもドーパミンを必要としているそうで、男の子の方がゲーム中毒やユーチューブ中毒になる率が高い、ということに納得がいきました。(脳科学の本も色々で、学者さんによって違うし、解釈によってもかわるから一概には言えませんが)

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先週から始まった夏アトリエではたくさんの子ども達が、アトリエ時間を楽しんでくれました。お姉ちゃんお兄ちゃんが通っていて、いつも見てばかりだった末っ子ちゃんたちも、今日はやれる!!と、まだ幼い生命が、その時間を慈しむように活動にむかっている姿には、胸の熱くなる思いがしました。初めてアトリエに来た子達の水を得た魚のような生き生きした姿、また創造の喜びに満ちた作品も感動的でした。やはり、子どもって本当にすごいです。子どもの力を信じて任せているからこそ見ることができる子どもの姿があります。

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「子どもの為にアトリエに通っているのはもちろんなのだけれど、私がリセットする為に来ているのもあるんです」と先日あるお母さんが言ってくれました。あらゆる世界が多様化される中、価値はひとつではなくなり、情報を得れば得る程、子育てに「このままでいいのだろうか」という迷いが生じることと思います。はっきり言えます「このままでいいんです」どの子も役割をもって生まれてきています。この世に遺伝子が残るということは、その子がこの世に必要だからです。みんな持って生れてきている何かを、素直に育ててあげればいいのです。私達にできるのは、子ども達の生命が生き生きと育っていけるように、環境づくりをすることだけです。子どもを他の誰かにする必要も何者かにする必要もありません。うちの子はうちの子のままでいい、私も私のままでいい。持って生れてきたその子だけの奇跡を大切に育てていきたいですね。

2020年7月③ アトリエ講師 星野由香