先日、今、学校の先生たちの間でも話題になっている少年刑務所の精神科医が書いた「ケーキの切れない子ども達」と言う本を読みました。犯罪者となった子ども達の共通する特徴とその解決法までが、書かれています。共通する“5つの特徴+1”というような書き方がされていて、ひとくくりにしてしまうことには共感できませんでしたが、個人的感情は別としてファクトとして知っておくという意味では、聞いておきたい情報があり、かなり衝撃を受けました。結局の解決方法が“学校での訓練により、勉強が出来るようにすること”で、(そういう結論であれ何かの解決法を提示して実際に活動されていることはすごいと思います。)私はやっぱり訓練という考え方には賛同はできないのですが、一理あることは理解できます。その訓練法はなかなか興味深いものでした。
コグトレ無料で検索すると、プリントがでてきますので興味のある方は是非、ご覧になってみてください。アトリエでやっていることと類似している内容がたくさんあって驚きます。

例えば、点つなぎはアトリエで言うとピンボード、回転図形はケルンモザイク、立体にすれば積木遊びなど、コグトレを更に発展させた内容をアトリエでは頻繁にやっています。アトリエに頭がいい子が、集中力のある子が多いのは必然的なことなのだと思いました。「アトリエに来ると頭がよくなるよ」って言ってしまってもいいなあと最近、思っています(笑)。アトリエで育つ3つの力、集中力・創造力そして自己受容・他者受容の力は、彼らの人生の財産になりますね。コグトレは学校におろすことを目的としていますから、プリントという手段になるのでしょうが、実際に手を使って五感で情報をとらえることの重要性は作者も文中で語っています。この本を読んでから、子どもの脳の発達において、いかに乳幼児期の遊び体験や遊びの環境が重要であるのかを考えさせられました。昔から、子ども達が好んでやっている鬼ごっこや虫採り、魚採り、縄跳びやボール遊びなどの日常の遊びも、子ども達が生きてゆくうえで必要な能力を育ててゆくものだからこそ、いつの時代の子ども達も同じ遊びに夢中になるのだと思います。子どもが本能的に求めていることにはやはり意味があるのですね。それは、子どもの成長にとって、決して何かの犠牲になってはいけないことです。日常の力は、大人が考えているよりもとても強く子ども達の成長に影響します。幼児期に体操教室に通っている子達よりも、外遊びで走り回っている子達に運動神経が良い子が多く、危険を回避する能力も高いのはその為です。豊かな遊びの環境が日常に整えられているということは、“子どもは遊びが仕事ですね”みたいなホンワカした話しではなくて、真剣に考えられなくてはならない親や社会の責任であると思いました。

今回の10月26日の積木フェスティバルでの子育て絵本トークではそういうお話しもできたらと思っております。今週からお申込みを開始していますので、お早目にお申込み下さい。


2019年10月①アトリエ講師 星野由香