先日の日曜日、体験参加の予約がキャンセルになり、長くつ下のピッピ展に行って来ました!!
長くつ下のピッピは、私の子ども時代に最も影響を受けた児童文学です。視界に入ると読んでしまうので、母に「これ、隠しといて!」と頼んだくらい何回も読みました。私が読んでいたのは、岩波書店版で、ピッピ展のイラストとは違うのですが、どの場面もお話しがよみがえり、懐かしさがこみあげました。
ロッタちゃんややかまし村の原画もあり、ピッピのドールハウスの設置など見応え十分でした。とりわけ感銘を受けたのは、映像のエリアの壁に貼ってあったリンドグレーンの言葉。
(“ ”はリンドグレーンの言葉を引用)

“子どもたちに愛を、もっと愛を、もっともっと愛を注いでください。
そうすれば思慮分別がひとりでに生じてきますから“

子どもの側に立つ人たちは、皆、同じことを言います。しつけしつけと思うよりもたくさんの愛を注いであげて下さい。そしてリンドグレーンの子ども時代のように、

“遊んで遊んで遊び死にしなかったのが不思議なくらい”

子ども達と一緒に遊んでください。楽しくて楽しくて仕方がない時の子ども達の五感が解放されている空気を 共に感じることができた時、“遊び”から彼らが何を得ているのかを 肌で感じることが出来た時、子ども達の生きる力を信じられます。子どもにとっての遊びは生きることです。その環境は、12歳までは、保証されるべきだと私は思っています。

“長くつ下のピッピ”のピッピ・ナガクツシタはとにかくハチャメチャで突拍子もなくて、大人になってから読むと、それって読んで大丈夫?と疑いたくなるような内容ですが、20世紀を代表する児童文学、世界中で絶賛されています。スゥエーデンの子ども達は皆、ピッピを読んで育ちます。とことん子どもの側にたったピッピのお話しは、

“もし誰かの悲しい幼年時代を明るくすることができたなら私は満足です”

というリンドグレーンの思い、ただただそれだけです。以前にお話したことがあると思いますが、私がこの生き方を選んだのは、子ども時代にピッピとの出会いが会ったからだと、大人になって読み返した時に思いました。子ども達の日々をもっとわくわくしたものにしたい。ピッピと出会った時のトミーやアンニカのように、子ども達にとってのアトリエとの出会いが刺激的なものになればと思います。
自分のルーツはここにある、という物語をもっているのは幸せなことです。決してうらぎらない友人が一人いるようなものです。たくさんの子ども達に、そういう出会いをさせてあげたいですね。

2019年3月①アトリエ講師 星野由香