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前回のピカソクラスの絵画では、それぞれが絵本の一場面を選んで描きました。
さすが、幼い頃から絵本で育ってきた子ども達。この子達は、この絵本の世界を読み解いているなあ、自分のものになっているんだなあと感じる作品が続出しました。ほんとにすごかったです。絵本の選び方や描き方で、その子の育ちの中で、どれほど絵本の読み聞かせが日常に浸透していたものであったのかがわかります。絵本に対する思いが伝わってきます。上手下手の世界なんてとうに飛び越えていました。あるお母さんの言葉「お話しが聞こえてくる」まさにその言葉がぴったり、小さな美術館にいるようでした。世界の絵本と絵本絵画作品展、やりたいですね。作品、おいててくださいね。

絵本はその内容だけが、子どもの心に残ってゆくわけではありません。その時、絵本を読んでくれた母の声、ぬくもり、におい、家族の姿、お家の様子、気持ち・・・いろんなことが同時に子どもの心に思い出としてのこっています。だから、小さい頃の絵本をあげたり処分したりしないで、おいていてあげてほしいのです。思春期の時や、自分では乗り越えられない壁にぶつかった時、どうにもならない感情に押し流されそうになった時、その絵本がお母さんとの思い出と共に力を貸してくれるかもしれません。お子さんに絵本を読んであげるということは、子ども達の人生に、そういう力を与えてあげることでもあるのです。そう思えるほどに、絵本の読み聞かせをしてあげて欲しいのです。そう思える絵本選びをして欲しいのです。

今回のピカソクラスの子ども達の姿を見ていても、本物を与えられてきた子、幼い頃の絵本との関わり方が密であった子達の心をとらえていたのは、おもしろおかしいだけの本やかわいいだけの絵本ではなく、本物とよべる絵本でした。彼らは絵本を選ぶ目がすでに備わっていることを感じました。絵本や積み木を通して本物を見る力が育っています。勉強に役立つからとか、しつけのためになるからとか、そんな底の浅い絵本やおもちゃの選び方は論外、それが目的になってしまったら本末転倒。本物にはいきつけません。
近年の絵本ブームも、哲学の表面だけをなめたような、一見、奥の深そうな絵本や、おしゃれなんだけど本じゃなくて雑貨だな、みたいな絵本も多く出版され、手を打ちやすい世界なので人気がでてしまうのも悩ましいところです。積み木も同じで適当なところで帳尻をあわせたなあと感じるものが増えてきました。もう一歩、踏み込めば本物が見えるのに・・・ともったいなく感じます。たまにはおやつも必要なので、色んな絵本があっていいのですが、是非、本もおもちゃもべースとなるものを先に揃えてあげてくださいね。

※クリスマス限定マグネットが大好評です。内容は違いますが、以前にもあったので、加古川の方は持っている人のほうが多いですね(笑)。新会員の方でご検討されている方はスタッフにご相談下さい。

2018年11月③アトリエ講師 星野由香