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先週の絵画は、焼き色のきれいなコム・シノワのパンをモチーフにしました。普段パンは食べないですが造形としてじっくり見ると、パンって魅力的な形状をしているものがたくさんありますね。乾燥させて飾っておきたくなりました。

絵画は他の造形活動と違い、いつも同じ条件で行うので(違うのはモチーフだけですね。)、子ども達の成長や心の様子を知ることができます。“絵から見えてくる子どもの姿”これは、子どもの絵を見続けているアトリエ講師の特技と言えるかもしれません。“学校で色々あり、元気をなくしている”とお母さんから聞いて心配していた子も、堂々と自信にあふれている絵を描いているのを見ると「○○ちゃんは大丈夫です。そんなことで彼女の芯は折れません。」と私も自信をもって言えます。逆になんの問題もないと思っていた子が、いつもとは全く違う生命力のない絵を描くと、何かあったんだなと気づけます。これは、同じ子の絵を同じ条件で、年齢に応じて、定期的に、ずっと見続けているからこそ見えることなのかもしれません。また、私たちは子どもの絵を上手下手で評価することはありませんから、見えるところが他の大人とは違うのかもしれません。

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今回は絵画では2年生の絵に驚かされました。藤本先生とも話していたのですが、「どうしたん、2年生。全国的になんかあった?(笑)」と思うくらい、ほぼ全員、個性全開でかっこいい絵に仕上げてきました。皆、自信満々で「絵はまかせて」って表情をしていたのが印象的です。前回の絵から、同じ子が描いたとは思えないくらいに成長している子もいました。是非、2年生のお母さん達は、去年描いたかぼちゃの絵と比べて見てください。この数か月の成長にびっくりすると思います。

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この半年くらい精神がざわついている5歳のS君は、急に絵画が苦手になり、なかなかデッサンを描くことが出来ませんでした。なんとか描いたのが、手のひらより小さなワイングラス。それはそれでその時のS君の表現。それでいいのですが、この絵はどうやって仕上げるんだろうなあと思い、出来上がりを待っていると、藤本先生が見守る中、絵筆を走らせ描き上げたS君の表情は晴れ晴れとしています。「Sくん、いい絵かけたやん」と声をかけると「100%なっ!」と笑顔で答えてくれました。アトリエがはじまった時、泣きそうな顔をして「描けない」と言ってた子だとは思えません(笑)。100%の自信を取り戻したのです。先生の励ましに子どもも見事に乗ったのです。こういうことが起こるのも、“あなたはあなたのままでいい”アトリエならではなのだと思います。

2018年5月③アトリエ講師 星野由香