アトリエは、考える場所、好きなことが出来る場所、自分の居場所
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形をテーマとするアトリエでの4月1回目の活動は、最も単純な秩序を持つ形体である球からはじまります。絵本“まるまるころころ”を読んだ後、机の上に、ママボールを転がして、どんどん数を増やしてゆくと大喜びの子ども達。
それから、机を斜めにして、ママボール<海綿状の素材>⇒ピンポン玉<空洞の素材>⇒ゴルフボール<密度の高い素材>の順に転がし最後にスーパーボールを転がして遊びました。

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形が同じ、動作も同じで素材だけが変わるので子ども達はその違いがよくわかります。また、柔らかい・堅い、軽い・重い、弾む・弾まない、転がる音の違いなど、それぞれの素材の特徴を直観します。子どもは遊びながら色んなことを学んでいます。

親子コピカのお母さん達はご覧いただいていたのでわかると思いますが、色とりどりのスーパーボールが、一番喜びそうなのですが、そうでもなく、この時期の子ども達は、素材の違い、大きさの違いのほうに興味をしめします。お子さんが小さいうちは特に、情報が多いことが必ずしも良いわけでなく、多すぎると逆に何を選んでよいかわからなくなり、集中して遊べないという状態になることもあるのかもしれません。

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幼小コピカは、ボーリングや穴落としゲームなどで遊んだ後に、プラ段でU字をつくり画用紙を敷いて、そこに絵の具のついた木球を転がして作品をつくりました。それから、最後に磁石玉で遊んだのですが、大人の想像を超えて喜んでいましたね。子どもは本来、科学が好き、実験がすき、知りたい欲求、知ったことをやってみたい欲求であふれていると思いました。こういうことをしている時、よく遊んでいる子はすぐわかります。「おっ考えたな」という行動がみられるからです。よく遊んでいる子は、自分で考えて工夫する習慣が身についているので、活動にも前向きな子が多いです。

この頃、子ども達が“考える事”の出来る環境が、そんなにはないのかもしれない。“好きなこと、楽しいこと”を思いっきりできる場所も時間もないのかもしれない。“本当の自分でいられる場所”が少なくなっているのかもしれないと思うことがあります。アトリエには少なくとも、この3つが揃っています。アトリエの子ども達は考えることが大好きです。この貴重な子ども達が、このまま育ってゆけるように、私達大人は子ども達が育ちたい自分へとむかってゆけるように、見守ってゆきましょう。

2017年4月②アトリエ講師 星野由香