ギリシャ人が数学において輝いていたのは、図形を理解していたからです さえら書房 美しい数学より
先週は三角・三角・三角づくしの活動でした。子どもは、比較と繰り返しで物事の認識を深めてゆきます。直角二等辺三角形は、□を半分にした単純な形体に思いますが、実は、全ての辺が同じ長さである正三角形よりも理解が難しい形です。
幼小コピカでは、はじめに三角のモザイクをつかって色をあわせる神経衰弱をして遊びました。4つの色で行ったので、小さな子ども達も無理なく参加できました。モザイクがお家にある方は、こどもと一緒に楽しんでみてください。単純な遊びこそ、子どもへの発見も子どもの発見もたくさんあります。

それから、好きな色を4色選び、8枚づつとってパターン構成をしました。今回は、1色をひとつの塊にして、□以外のお部屋をつくってみるという課題で行いました(子どもがやりたいことがあればそちらを優先)。ケルンモザイクには、3原色3補色とそれぞれのグラデーションがあります。原色を省いていたので、子ども達が選ぶ色も新鮮で、三角形の斜面を利用したかっこいいデザインがたくさんできました。子ども達は、原色やパステルをきれいな色、暗濁色や暗清色を汚い色と言いがちですが、絵の具やモザイクで色の関係性を体験しているアトリエの子は、知らず知らずに色と形の感性が育っていることを思いました。

作品づくりも三角・三角・三角。予めひいてある4.5㎝×4.5㎝のグリットに棒を縦横斜めに貼り色を塗り分けました。空間をつくるというのは、幼い子ども達には、難しく小学生はモザイクと同じようなパターンがつくれていましたが、幼児は、全ての線に貼る子が多く、子どもの育ちも個性も一人ひとりあるけれど、発達年齢に沿った理解が確かにあると感じました。そこを飛び越えて理解させようとするよりも、その年齢に応じて認識を深めてゆくことのほうが確かな土台づくりとなることをあらためて感じました。

東京にⅠQの高い子どもを育てることで有名な小学校があるのですが、そこで行われている知能アップの教育法を見ていたら、積み木やモザイクのようなものでアトリエと同じようなことをやっていました。なかなかもしろかったです。アトリエとの違いは、正解があり、速さを競っていること。アトリエも形の秩序を無視しては出来ないので、そういう意味での正解はありますが、答えは一つではありません。また、たまにゲーム感覚ですることもありますが、アトリエで速さを競うということはまずありません。アトリエの子ども達は、創造活動の中で秩序は理解しているので、ああいう問題もあんなに早くは出来ないけど、たぶん正解はだせると思います。でも逆にいつも答えがあり、その通りにつくる体験しかしていない子は、アトリエの子のように好きなようにつくっていいよと言われたら難しいかもしれないと思いました。そう考えると和久共育はやっぱりすごいですね。

今週は、出窓のところにもかざってある、まぼろしの積み木おどろ木で遊びます。子ども達がどんな表現をするのか楽しみにお待ちください。
※1月2月の間は、お休みがなくそのまま続いて教室があります。ご注意ください。
2017年1月②アトリエ講師 星野由香