8/18・19日に行なわれた、“第2回遊びの創造共育全国大会”。全国から和久洋三の創造共育に携わる人、学びたい人200名が集まりました。
1日目は、和久先生の基調講演の後、各ブースにわかれての勉強会、
A.フレーベル積木の継承と発展 <ケルンブロック>
B.動き、固定できる積木の魅力 <くむくむ・クムンダ>
C.数学とアートの融合 <かずの木>
D.つながるかたち つながるこころ <集団用積木 WAKU-BLOCK45 基礎編>
E.子どもが信じる積木があった <集団用積木 WAKU-BLOCK45 発展編>
で、私は2日間連続でAグループの講師を担当しました。
参加者の多くは教育者でしたがとても喜んで頂き、楽しい勉強会となったので、アトリエのお母さん講座やピカソクラスでもやってみたいと思いました。

2日目は、童具を揃えて創造共育を取り入れている園や施設の活動発表。アトリエよりもずっと前から創造共育を行なっている保育園の園長先生が「私は和久先生に出会い、この教育を知らなかったらこんなに長く保育士をしていなかった。子どもの凄さに気付けなかった」とお話ししていたのが印象的でした。

御自身も目の見えない盲学校の校長先生のお話しでは、和久先生の積木に触れた時、まず、「辺が鋭い。頂点がしっかり尖っている。面が平ら。立体のどこに触れているかが指先でわかる。そして2つをきちんと重ねると、面の繋ぎ目がわからなくなる。これだけでこの積木の価値がわかった。」のだそうです。盲学校小学生5・6年生に、ケルンモザイクで遊んでもらったところ、校長先生も「高度なことはできないと思いますよ。」と言っていたのが、実際やってみると驚くべきことを子ども達がやってのけたそうです。何でもできるので、和久先生がわざと難しい六角モザイクのストライプパターンをやらせてみると、それもできてしまったそうです。彼らには色がわかりません。かたちもわかりません。でも辺、面、頂点は触覚でわかり、表と裏もわかります。その情報だけでつくりあげてしまいました。童具の精密さと、環境があれば、どんな子も可能性を広げてゆけることに感動しました。今年4年生になる甥っ子は、色も形も知っていますが、目をつぶって同じことをしようとしても、ボードに入れるのがやっとだったそうで、人間には、色んな力があることに感動したそうです。人間が生まれて来た時は、触覚が優位に働き、まず、皮膚感覚を通して視覚となり、触覚がおとろえてくるそうです。目の見える人達も触覚を今より使うと世界が広がるのではないかという校長先生の言葉に考えさせられました。


それから私がその凄さを熱弁していた絵本作家 鈴木まもるさんの登場。山の中を歩いているようなTシャツとズボンに裸足、真っ黒に日焼けした鈴木先生は私のイメージとピッタリの方でした。ものすごくユーモラスな方で1時間半200人が笑いっぱなし、その中で本当に大切なことをたくさん教えてもらいました。絵本作家が世界一の鳥の巣博士になり、鳥の巣からいろんなことがわかってきた。和久先生がいつも講演会でよく言っているように、ひとつのことを極めると、他のことも見えてくるから、一流の人は皆、同じことを言う。鈴木まもるさんも和久先生と言っていることが全く同じでした。
鳥の巣の凄さは、以前にアトリエ通信でお伝えしましたが、鳥は誰に教えられることもなく、あれだけ高度な巣づくりをします。つばめは、5,000kを旅して日本にやって来ます。カメは1年をかけて20年前に卵から生まれた海に戻ってきます。人間も同じです。植物の種子のようにちゃんと全てを内包して生まれてきています。生きる力、育つ力をちゃんと子ども達はもっています。私達は子どもの育とうとする意志を支えるだけでいい。応援するだけでいい。水や肥料を与えすぎたり、違う土壌に植え替えたりしたら、枯れることもあるのは当たり前のことなのかもしれません。

今週1回目は、点・線・面をテーマに絵本「いろいろいろのほん」の世界をつくったあとに、ビニールテープで遊びます。楽しみにお待ち下さい。

※10月23日(日)の10時~16時まで加古川文化センターにて、積み木フェスティバルを開催します。<10時半~12時 同時開催 和久洋三講演会>一般募集の前に会員様と、紹介者様を優先させて頂きますので、スタッフにお申込下さい。
参加費 積み木 一人1,500円(1歳未満・大人無料)
講演会一人 1,000円
詳しくは別紙にてお知らせします。

当日ボランティアスタッフ同時募集中です。

2016年9月①アトリエ講師 星野由香