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先週は、四角柱・直角をテーマに、直角を意識した、オブジェをつくりました。始めに、あまり知られていない童具“かくまんげ”を8個の立方体にして、ケルンブロックにセット。いつもの積み木だと思っていた子ども達は、積み木がくっついていることにびっくり。
いろんな方向に動かして、直角の世界を楽しんでいました。それから、10~12個の四角柱木っ端を選び、着色して、2個づつL字にくんでから、作品を構成しました。とは言っても自由に作る子もいるのですが、斜めに貼ったりする子がいなかったのはおどろきでした。かくまんげでの遊びの中で直角を意識したこともあると思いますが、日常生活の中で一番目にしている四角柱の世界、直角の世界は、子ども達にとって受け入れやすい形態であったのかもしれません。

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ピカソクラスでは、いろんな形のびんを用意し、異素材を組み合わせて、“へんてこ星人”を作りました。あらかじめ人工物として形になっているものを生かすのは難しいと思ったのですが、同じカリキュラム、同じ素材とは思えない魅力的な作品に、子ども達の創造力が発揮されていることを感じました。

今6年生のWちゃんは、思春期の真っただ中。アトリエにいる半分の時間は、日ごろの不満を大声で言い続けています。キモイ、ウザいの連発。そんなWちゃんに周囲の子ども達も困惑気味。それに気づいたのか、言い過ぎたと思ったのか、急に私の腕をとって「先生、アトリエだけやねん。Wのことわかってくれるの。先生だけやねん。そんなこと言ってくれるの。本間にうれしいねん。」となんの脈絡もないところで言ってました(笑)。必死で生きているんだなと思いました。それと、本当に子どもが理解されるところ、受け入れられるところがそんなにないのかもしれないと思いました。そんなWちゃんに「そんな言い方はダメ」「文句ばっかり言わない」など説教しても何もはじまりません。だってそれは、本人が一番わかっているのですから。でも言ってしまう。大人はそういうことをわかってあげるしかないですよね。また、本気で向き合うしかありません。とは言ってもこれが家庭で毎日くりひろげられると、親は笑ってばかりも、むきあってばかりもいられません。だから、色んな大人たちが、子どもを見守ってゆくことが必要なんだと感じました。子どもの心のよりどころであったり、自分の居場所として安心していられる場の必要性を感じます。2歳児反抗期、4歳児パニック、ギャングエイジ突入期、思春期と成長段階には、とてもやりにくくなる時期が子ども達それぞれにありますが、そんな時の子ども達は、エネルギーでいっぱいになっています。自分でもどうしていいかわからない。アトリエは、そんな子どもにとってたまっているエネルギーを発揮できる場所、また、自分が認められていることを確認できる場所なのだと思います。その時の子ども達の心情は、ストレス発散というレベルのものでなく、まさに必死で生きているんだなと感じます。

※来週のコピカの活動はお料理で、夏の寒天ゼリーをつくります。アレルギーのある方は食材の確認をよろしくお願いします。
※田んぼに水がはいりましたので、田んぼのあぜ道には、入れません。また、用水路にある木材は、水を調節する大切な板ですので、子どもがさわらいようにお願いいたします。

2016年6月(2) アトリエ講師 星野由香