先週は、点・線・面・をテーマに初めに6本の棒の上を歩いて遊んでから、厚紙でつくった6本の連結スラットで線と面の構成を楽しみ、ベニヤ板で自分の作品を着色・組み立てを行いました。後で遊べる作品は、とても喜びますね
先月、面から線の転換が幼児、低学年の子ども達には難しいものであることを感じたのですが、連結スラットを使えば遊びながら感覚で理解できると思いました。
厚紙とハトメや割りピンなどがあれば、(100均にも売っています。)おうちでも作れるので、6本、12本など数を変えてつくってみてもおもしろいと思います。(参照 遊びの創造共育法(7)P124~ )
ピカソクラスは、ベニヤ端材を組み合わせてハンベルマン人形をつくりました。それが、ものすごくかわいくて、今、ピカソクラスの壁にかざってあるのですが、まるでオシャレな雑貨屋さんみたいになっています。
さすがアトリエ育ち、絵本育ち。よけいな色や物はくわえず、やりすぎない作品に「君らはほんまに小学生か」と思ってしまいました。
6年生のMちゃんは、2歳の時からずっと、途中で西宮にひっこしてからもアトリエに通ってくれました。アトリエをとても好きでいてくれている女の子です。
今回の活動は、布も使ったんですが、Mちゃんが、「どうしても茶色の布がいる。茶色じゃないとダメ」と言うので、探したのですが見つからず、仕方がないので私のエプロンの端を切ってあげました。
この時期、6年生のいるクラスは、出来る限りピカソクラスにいるようにしているのですが、「出来上がるまで見にこないで」と言うので、下で待っていました。
なんとMちゃんは、私をつくっていてくれたのです。だから茶色の布がどうしても必要だったのです。特徴をとらえてとってもかわいくつくってくれていました。
ですから、本人ももっていたいはずなのに「これは、先生がもっていて欲しい。」と言ってくれました。とても嬉しいけれど、私もMちゃんに持っていてもらいたいので、1年ごとに交換することにしようと思っています。
難民キャンプの二人の少女の友情を描いた絵本“ともだちのしるしだよ”を思いだしました。彼女への年賀状に「Mとは、小学生の時に出会っていたら大親友になってたと思う。」と書いたことがあります。Mちゃんもそう思ってくれているのだろうと感じました。
大抵の小学生、特に高学年の子ども達にとっては、小さい頃から通ってきたアトリエは特別な場所になってゆきます。思春期を前に、自分が自分のままで居られる場所、自分のままで居ていい場所、どんな自分でも愛される場所、“彼らの居場所”となるからだと思います。
私は「どんな自分で居てもアトリエの先生は、私のことを決して嫌いにならない。先生は私のことが大好きだ。」と、親以外にもどんな自分であっても好きでいてくれる大人が1人は居ると子ども達に思ってもらえることを何よりも大切に思ってきました。
自分の子ども時代にそんな大人が居たらどんなにか救われただろうと思ったからです。でも今は、逆に子ども達から私が支えられているように思います。どんな私でも嫌いにならずにいてくれたのは子ども達だ、と思わされています。
言葉でどう表現して良いのか思いつきませんが、アトリエの先生と子ども達の関係は、非日常な特別な場所での特別な関係です。大人から子どもへの教授ではなく互いに学びあう共育だからこそ、互いが特別な存在になってゆくのだと思いました。
3月 (1)造形活動 (2)積み木 (3)石こう造形
先週の絵本 「 いちごです」川端 誠 ・「いっぽんばしわたる」五味 太朗
2016.2.(3)アトリエ講師 星野 由香