アトリエ駐車場横の田んぼには、毎年、きじが巣をつくります。先日、久しぶりにオスの姿を見かけました。
去年ははじめてツバメが巣をつくり、そんなこともあってか野鳥に愛着が湧き、今、鈴木まもるさんの鳥の巣の本にはまっています。
鳥の巣って本当にすごいんですよ。葉にくちばしで穴を空けてくもの糸で縫って巣をつくる鳥もいて、しかも表は縫い目がめだたないようにしてあるんです。土を発酵させて、常に33度になるように発酵具合を調節している鳥がいたり、湖の真ん中に1500kg分の石を岸から運んで積んで陸地をつくりその上に巣をつくる鳥がいたり、本当にすごいんです。感動的です。
鈴木まもるさんは、和久先生の教え子でもあるので、この度、出版した655種の鳥の卵と巣の絵図鑑をおくってもらったと聞き、早速見せて頂きました。これ程の鳥と卵と巣の絵図鑑は、多分、世界初です。
鈴木まもるさんの本業は、絵本作家。「つみきでとんとん」や「せんろはつづく」「まえむきよこむきうしろむき」「くろねこサンゴロウシリーズ」などのヒット作を描いた方です。
鈴木さんのアトリエのあるバサラ山でたまたま美しい鳥の巣を見つけて、それから鳥の巣にはまったんだそうです。それから、鳥の巣について調べようと本屋さんに行ったら専門的な本がなく、何年もかけて研究した末、自分で図鑑をつくってしまいました。
今や世界一と言っていいほどの鳥の巣博士です。すごいですよね、絵本作家が世界一の学者レベルで鳥の巣に詳しくなってしまうのですから。その方がまた、世界一の積み木をつくった和久先生とお知り合いというのも、つながっているなあと思いました。同じ考えをする方は、やはりつながっていきます。
アトリエに集まるお母さん達が他のところでも顔を合わせたりするのは、良くある話ではないでしょうか。同じものに感性が響くからなのでしょうね。その同じものとは、本物であるということなのだろうと思います。
宮崎駿のアニメをつくっているスタジオジブリには、映画をつくる時に予算書がないそうです。理由は、「そんなことしてたら本当にいいものがつくれない」からなのだそうで、和久先生の童具と同じだと思いました。
和久の積み木も採算のとれるものではないはずです。でも、それでも、作り続けないといいものは、残してゆけません。この積み木だからこその子ども達の成長があります。
鈴木まもるさんの出版される図鑑も25,000円。一般的に考えてものすごくこの図鑑が売れて採算があう、ということは多分ないでしょう。それでも、本物を残したい、伝えたいという思いのほうが勝つ。これからの自分の生き方の動向を示されたような感じがしました。
この度、和久先生が、ずっと書籍にしたいと願っていたフレーベルの親と子の共育が、本になり皆さんにお渡しできるようになりました。
和久先生は、誰でも理解しやすいように書いた・・・・とおっしゃっていましたが、哲学書や思想的な文学の文体に慣れてないと、正直、難しいです(笑)。
でも、慣れてくると、和久先生が講演会でおっしゃっていることと同じなので、がんばって3回ほど、読んでみて下さい。わからないところがあれば、聞いて下さい。私にわかる範囲のことは、お話します。
※2月は、1回目がレリーフ絵画、2回めが造形、3回目がお料理です。
今週の絵本 『木のまつり』 新美 南吉 作/ 鈴木 靖将 絵
2016.2.(3)アトリエ講師 星野 由香