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《8月1週目の活動は、ブリューゲルの名画をみて、積み木でバベルの塔を作りました。》

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お盆も過ぎ、朝夕は過ごしやすくなってきましたね。皆さん、楽しい夏休みを過ごされていますか?
私は、先日、子ども達を連れて、佐用の千種川に川遊びに行ってきました。水深が深いところでも1mくらいのところなので、思いっきり水遊びをしようと、浮き輪やビーチボールをもっていきましたが、生き物の姿を見てしまうとダメですね。
監視役は、妹にお願いして、サワガニからはじまり、ヨシノボリやシマドジョウを取り続けていました。
11時くらいにはやめの朝ごはん。バーベキューもできましたが、とにかく遊びたい。こんな時は、おにぎりが一番。
岸で川で遊んでいる親子を見ていると、網を持って、中腰で夢中で水底の小魚を探しているお父さんの横には、必ず、同じかっこうをして、夢中で魚を探している子どもの姿がありました。
大きい子も小さい子も男の子も女の子も見事に親と同じことをしています。つまり子育てとは、そういうことなのだとつくづく思いました。
私と一緒に居た6年生の女の子も川の冷たい水に、唇が紫になっているのに、殆ど休憩しないで、魚とりにはまっていました。最後には、とれたところに帰して「バイバーイ、元気でね。」得るものの多い一日となりました。
アトリエでは、今年の夏も毎日、何かしらのドラマが生まれています。子どもの心が開いた時、本来持っていた能力が、突然、開花する姿をアトリエで何度も見てきました。毎週毎週、誰かが花を咲かせてくれています。
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前々回の積み木の活動では、妖怪が大好きな年長さんのKちゃんが大倫の花を咲かせてくれました。今の男の子達にもれず妖怪ウォッチも大好きですが、本物の妖怪も大好き。水木しげるの“なぞなぞようかい”をいちはやく購入し、一週間、ぼろぼろになるまで読んでいたそうです。
「Kちゃん、今日は、その本読むから、答え言っちゃダメだよ。」と言うと嬉しそうに「うん」と言ったのですが、辛抱たまらず、ページを開いた瞬間に「べちべとさん!」「からかさ」と答えを言っちゃいます。普通なら、そんな時、他の子からブーイングがあるのですが、このクラスの子達は大らかで私達講師陣と一緒に「Kちゃーん、言っちゃダメ!」と大爆笑。
普段は、少し引っ込み思案なところもあうKちゃんが、あまりにも嬉しそうで、妖怪のまねまでして喜んでいる姿に、皆も嬉しくなったんだと思います。こういう時の子ども達ってそういう姿をちゃんと認めるんですよね。Kちゃんはまさにヒーローでした。
クラスにより違いますが、この前の積み木の時、このクラスでは、18㎝×18㎝の立体パズルをしてから、それをそのまま土台にしました。普段なら、そういうことが苦手なKちゃんですが、この日はノリノリなので、一番最初に出来てしまいました。
1回目は、少し先生の手を借りましたが、2回目は、あっという間。子どもの心に光が差し込んだかのように開いた時、今までできなかったことが突然出来るようになることが、やはりあると、つくづく思いました。
この日は、脚光を浴び続け、この日があるかないかで、これからの成長は違ったものになってゆくだろうと、次週の絵画でもキラキラ目を輝かせていたKちゃんを見て思いました。
アトリエでは、どんな子にもそういう日が必ずあります。その時は、お母さんにお伝えしますので、子どもの目の輝きを見てあげて下さい。
“目は、口ほどに物を言う”と言われますが、あれは、脳科学的にも本当なのだそうですね。嫌なことばかりをさせられていると、目の輝きを失います。わが子の目が輝いているか、そうでないか、どちらが良いかは、教育方針に関係なく誰でもわかること。
豊かな知性は、豊かな感性に支えられた時に輝きます。その感性が最も敏感に育つのは幼児期です。そしてその種子は、乳児のときに芽生えています。
この夏も、子ども達の心がもっともっと開くように、輝きに満ちた目が見られるように、見守ってゆきましょう。
2015.8.(2)アトリエ講師 星野 由香