1433300395.jpg
前回の活動は、「まるをさがして」という絵本を読んでから、前週に円を描いてつくった形にさらに円と線でデザインしてから色をぬりました。
「まるをさがして」は、色んな巨匠の描いた円のデザインを集めた絵本なのですが、さすがアトリエ育ちの子ども達、お話の本と同じくらい楽しみ「僕、これが好き。」「こんなの描いてみたい。」と自分のデザインの参考になったようです。


アトリエには、とても独創的なMくんという2年生の男の子がいます。今回、定規をつかって、デザインしている時に、藤本先生と角度について話している声が聞こえました。
「三角の角度を足すと180度、四角は360°。正六角形だと、三角が180°で3で割ると60度だから、それが二つで120°なので、足すと・・・」などおもしろい話をしていたので、私も間に入っていって、「Mくん、これも四角形なんだよ。」ときつねの顔のような四角形を描くと、「じゃあ、これも5角形ですか?」と一筆でおもしろい図形を描きました。「さすがやなあ。」と一旦、その会話は終了しました。

それから、私が洗い物をしているとそこにMくんがやってきて、「じゃあ、正五角形は、何°ですか?」と聞くので、「先生、今、わからへん。」って言うと「なんでですか。さっき話したじゃないですか。三角が180°、四角が360°、六角が720°、ひとつ角が増えると180°増えています。」と言われ、思わず洗い物の手を止めてしまいました。「本当だ。じゃあ、5角形の角度を足すと540°で、108°ってこと?」って言うと私が理解したことに満足して、自分の席にかえってゆきました。


私は、藤本先生から聞いたのかなと思いましたが、教えていないそうで、後でお母さんにそのことを話したらびっくりしていたので、どうもMくん自身が導きだしたことのようなのです。たとえ、何かの本で知ったことであるにしても、2年生の子がちゃんと理解して、説明できていることに本当に驚きました。アトリエは、本当に色んな子が育ってくる面白い場所だとつくづく感じました。


1433300402.jpg
今回の活動では、色を塗った後に、どんな物にも中心があるということを伝え、小学生には自分でコマの中心を探してもらいました。この作品の場合、鉛筆を逆さにして、その上にコマをのせ、ちょうどピタッととまったところが中心です。そもそも鉛筆の軸をまっすぐ持てないと出来ないので、火曜日から土曜の2時のクラスまで3人しか自分でできませんでした。

でも、16時半の最後のクラスで、「これ出来た小学生、今まで3人しかおらへんねん。」って言ってからはじめると、はじめの一人が「僕は、出来る。」となんなくクリア。そして二人目。「私も出来る。」と続き、結局このクラスだけで5人出来てしまいました。

器用な子達ではあるのですが、それを言うと皆そうで、どうしてこのクラスだけできたの?こんなことってある?と不思議に思いましたが、後で冷静に考えると、私がはじめに「3人しかできてない。」と言った事で、もともとそういう事が得意な子な始めの一人の子が、とても集中してやったんだと思います。

そして次の子も、俺もやるぞと集中、そうなると次の子も・・・と、これは多分、能力の差というよりも集中力が成したことなのだと思いました。ささいな事ですけど、積み重なればそれは、すごい差で、集中力と興味は、子どもの能力を掛け算にすることを改めて思いました。


1433300411.png
今、ピカソクラスでは、木で骨格をつくり、そこに粘土で肉付けをして、和紙を貼り動物をつくって」います。どのクラスも集中し、畑先生が、子ども達の姿に惚れ惚れしてしまったと話してくれました。今週は、色付けをするのですが、どの子もそれこそアーティストのような作品をつくっているので、是非、2階のピカソクラスの作品を見て下さい。集中力と持続の成せるわざです。


※駐車場が混雑する時は、第2駐車場をご利用下さい。
※駐車場は大変、危険です。子どもだけで駐車場に出ることのないよう、お願い致します。


2015.6.(1) アトリエ講師 星野 由香