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先週の幼小コピカでは、子ども達の大好きな蝋の造形。蝋が熱で溶けたり、冷えると固まったりする様子を、皆飽きることなく、くぎ付けになって見ていました。
こんな時不思議に思うのですが、誰も教えていないのに、違う環境で育ってきているのに、こうしてどの子も、皆が皆、興味を持つものがあります。そういう物には人間に共通する普遍の何かがきっとあるのでしょうね。

大人にとっては当たり前に思うことも、(本当は当たり前じゃないんだけど)、子ども達にとっては不思議の宝庫。この不思議心こそ知性への問いかけ、当たり前だと思うことを当たり前にせず追求し続ける心こそが真の学びであると感じました。

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アインシュタインの「私は子どもの時に不思議だと思ったことを大人になっても持ち続けていただけ。」という言葉を思いだします。子ども達に、溶けたろうを水に落として、すぐに固まる様子を見せると、“うわっ!固まった!!”と驚いていました。

球体のろうそくは、粘土にボールを押し付けて半球の型を2つつくり、ろうを流して固まってから、芯を挟んで、蝋で接着しました。卵型のろうそくは、“水風船を蝋の入ったボールにつけて、その後、水に入れて固め”を何度もくり返してつくりました。

はじめは、「そんなことして割れへんの?」と心配していた子ども達も、いざやってみて一瞬で水風船がカチカチになったのを見ると、不思議心に火がつきました。それからは、もう夢中です。子ども達にとっては、何かつくっていると言うよりは、実験に近い感覚だったと思います。

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それと、液体から何層にもわたり球体が形成されてゆく様子は、“生み出す”という感覚もあったようです。最後にろうそくを設置するので、卵型の上面と底面を平らにする為に、アイロンで溶かす私の作業を見て「なんか、可哀そうやな。」と言っていた子が何人かいました。「どうして、かわいそうなの?」と聞くと「生きているわけじゃないからいいんだけど。せっかくこの形になったから。せっかくつくったというか、こうなったから。」とたどたどしく説明してくれました。

私の想像になりますが、多分、子ども達は、自分の作り出したものに生命を感じているのだと思います。液体であった蝋が、徐々に球体へと変化してゆく様は、新しく生み出された生命のように感じたのかもしれません。自分でそれをつくったというよりも、それが自分でそんな形になったという感覚を持ったようでした。だから、“可哀そう”だったのかなと。子どもの感性の鋭さを思います。

ろうそくに火をつけるのはもったいないですが、少しつけてみるくらいなら作品は残りますので、(卵型のほう)お部屋を暗くして付けてみて下さい。とってもきれいですよ。(蝋に火が燃え移ることもあるので、目を離さないで下さいね。)今週は、石こうをつかって円柱のオブジェをつくります。子ども達の「できた!」を楽しみにお待ち下さい。


※来週は、お休みです。
※再来週の活動は、お料理です。アレルギーのある方は、食材の確認をお願い致します。
※活動終了30分前にお集まり下さい。


2015.5.(1) アトリエ講師 星野 由香