先週の積木のスカイツリーは、子ども達も大満足のダイナミックで美しい作品に仕上がりましたね。今回は、六角形のビッグパターンボードを土台にして、その上に円筒型に積みながら天井までを目標に手の届く限り、積み上げてゆきました。同じくらいの年齢の子同士で二人組、三人組のチームを組んで行ったのですが、「ここは角柱でバランスとろ」とか「次の段で困るから、一回平らにしよう」など、一段一段、話し合いながらやっている姿を見ることができるのは、アトリエ講師の醍醐味です。私は全ては見ていませんが、他の先生達に子ども達の様子を聞くと、作品が仕上がるまで色んなドラマがあったようです。
アトリエではよくチームをつくって協力して一つの活動に取り組むことがありますが、そうした後、必ず同じグループの子ども達がガッチリ仲良くなります。大人もそうですが、ただ気の合う仲間と遊ぶだけでなく、何かの目的にむかって力をあわせて試行錯誤をくり返し、達成まで一生懸命の時間を共有すると、“気が合う”を越えた関係性が子ども達に成立するようです。その為には大人は“手助け”はしても、“手出し、口出し”は子どもにとって迷惑至極。また、やらされるのではなく、自らその世界にむかっているということが何よりも大切なことです。子ども達同士で前向きに自分達で考えてつくりあげるからこそ、お互いの信頼感が生まれます。

お母様達もご覧になられたのでわかると思いますが、やはり、親子コピカから通っている子、おうちでよく積木遊びをしている子は積み方が違ってきます。高く積んでゆく為のしっかりとした土台をつくる為にはどうすればよいのか、どういう積み方をすれば美しく仕上がるのかがよくわかっているので、慣れている子は、普段は大人しい子でも積木の時は自信満々。有末先生に聞くと、そういう時は子ども同士はちゃんと理解していて、逆に普段やんちゃタイプで主導権を握りたい子も、その子に主導権を譲るのだそうです。子どもって本当にすごいですよね。そういう子ども達の関係性のあり方が決して一人では出し切れない知恵や能力を引き出していることもあると思いました。その時、積木は子ども達の心と成長をつなぐ媒介物となります。それが本物であるからこそ、子ども達の潜在能力を確かな形で引き出してゆくのだと思います。
アトリエでは、積木やケルンモザイクがカリキュラムの主軸となっていますので、アトリエ活動をより豊かなものにする為に、またご家庭での童具環境を整える為にも、“積木のいろは”は揃えて頂ければと思います。ご負担にならないように、ほるぷ絵本館では、金利のかからない分割購入もできるように致しますので、星野・山下までご相談下さい。
2012.6.(2) アトリエ講師 星野 由香