アトリエの夏
夏の絵本、はたこうしろうさんの“なつのいちにち”は、親子コピカの子ども達から小学生まで、大人の想像以上に皆、真剣に見ていました。“まほうのなつ”もそうですが、はたこうしろうさんの描く夏は、あの頃の子ども達の姿そのもの(あの頃とは私が子どもの頃)。皆、毎日毎日、野山をかけまわって遊んでいましたから、あの主人公の男の子と同じように生傷がたえず、どの子もどっかから血が出ていたような気がします。(笑) 私は、父から「絶対に頭から落ちるなよ。頭は必ずかばえ!」「ポケットに手を入れて歩くな。いつでも両手をつけるようにしていろ!」と遊びに行く時は、毎日のように言われていたことを、この絵を見て思い出しました。はたさんもそんなお父さんに育てられたのかもしれませんね。私達が子どもの頃はこけること、落ちることは前提の日常でした。主人公の男の子がどしゃぶりの雨の中、服の中にクワガタを入れて走って帰るのも、なぜなのか分かるような気がします。こけたらすぐに網をほりだし、服の手をはなして両手がつける状態をつくっているんだなあ、またクワガタをポケットに入れないのは、生き物は“物”じゃないという、彼の気持ちじゃないかなあと思いました。一人で必死で自分も痛い思いをしながら捕まえたクワガタ。だからこそ抱く孤高の生き物への畏敬の念。こんな体験を数え切れないくらいして育たないと、子ども達に生命に対する本当の意味での尊厳、命の大切さを伝えるのは、難しい世の中になってきているのではないかと、今の子ども達がおかれる環境を見ていて感じることがあります。
私も4才になった甥っ子に、私にできる時間で大人になっても記憶に残るであろうはじめての夏を、忘れられない思い出でいっぱいにしてあげたい、五感をフル活動させて体中で“生きている!!”実感を感じとらせてあげたいと願います。
アトリエの夏は、子ども達にとって忘れられない思い出となるよう、アトリエカリキュラムの中で、加古川PRの環境だからこそできる活動を、スタッフと一緒に何回も会議をして考えました。8月1回目の夏は、思いっきり水のかけあいをして、走り回って遊びましたが、アトリエの子ども達は、やはり逞しかったです。顔面を狙われても目をつぶるのは一瞬で、どんどんむかってきます。普段、大人しい子も、こういう時は、やんちゃ顔。性格はそれぞれですが、どんな子もやる時はやる!!そういう子に育ってくれるように私達講師も子ども達と接してきました。アトリエの子ども達の大胆さ、スケールの大きさ、小さくまとまらない器の大きさを、このまま育ててあげたい、もっともっと生きている実感を体中で感じさせてあげたいと、この夏、改めて思いました。
今週の幼小コピカ、ピカソは夏の集大成・絵画の活動です。絵は、集中すればどの子もいい絵を描きあげます。絵に限らす、どんな活動もそれは同じ。また大人も集中すれば必ずいい仕事ができます。
集中するということは、もうこれが限界と思うくらい無我夢中に意識がむかった時、努力するということは、精も魂もつきるくらい、もう思い残すことはないと言えるくらいまで、やり遂げた時です。集中力と最後までやり遂げる力、私はこの二つがあれば、生きる力を身につけてゆくことができることを、6年生まで通ってくれた子ども達の育ちに教えられてきました。この二つの力は、その子の持っている能力を何倍にもしてくれます。エジソンも2000回の失敗があったからこそ、試行錯誤を繰り返して1つの成功を導きだしました。何事も一生懸命すること、そして必ず最後まで諦めずにやり遂げること、私はこの二つの力だけは、アトリエの子ども達全員に身につけさせてあげたいと思っています。その為には、まず自分自身がそうでなければなりませんね。
アトリエの夏、最後の一週間。全力で子ども達と向き合いたいと思います。
※8月24日の神戸新聞に私の記事がのっているので、是非見て下さい。
※BANBANテレビでアトリエの子ども達の様子が放映されます。
(まだ未来の街の絵が途中の子達が描きに来た時の映像です。)
2010.8.(3) アトリエ講師 星野 由香
夏の絵本、はたこうしろうさんの“なつのいちにち”は、親子コピカの子ども達から小学生まで、大人の想像以上に皆、真剣に見ていました。“まほうのなつ”もそうですが、はたこうしろうさんの描く夏は、あの頃の子ども達の姿そのもの(あの頃とは私が子どもの頃)。皆、毎日毎日、野山をかけまわって遊んでいましたから、あの主人公の男の子と同じように生傷がたえず、どの子もどっかから血が出ていたような気がします。(笑) 私は、父から「絶対に頭から落ちるなよ。頭は必ずかばえ!」「ポケットに手を入れて歩くな。いつでも両手をつけるようにしていろ!」と遊びに行く時は、毎日のように言われていたことを、この絵を見て思い出しました。はたさんもそんなお父さんに育てられたのかもしれませんね。私達が子どもの頃はこけること、落ちることは前提の日常でした。主人公の男の子がどしゃぶりの雨の中、服の中にクワガタを入れて走って帰るのも、なぜなのか分かるような気がします。こけたらすぐに網をほりだし、服の手をはなして両手がつける状態をつくっているんだなあ、またクワガタをポケットに入れないのは、生き物は“物”じゃないという、彼の気持ちじゃないかなあと思いました。一人で必死で自分も痛い思いをしながら捕まえたクワガタ。だからこそ抱く孤高の生き物への畏敬の念。こんな体験を数え切れないくらいして育たないと、子ども達に生命に対する本当の意味での尊厳、命の大切さを伝えるのは、難しい世の中になってきているのではないかと、今の子ども達がおかれる環境を見ていて感じることがあります。
私も4才になった甥っ子に、私にできる時間で大人になっても記憶に残るであろうはじめての夏を、忘れられない思い出でいっぱいにしてあげたい、五感をフル活動させて体中で“生きている!!”実感を感じとらせてあげたいと願います。
アトリエの夏は、子ども達にとって忘れられない思い出となるよう、アトリエカリキュラムの中で、加古川PRの環境だからこそできる活動を、スタッフと一緒に何回も会議をして考えました。8月1回目の夏は、思いっきり水のかけあいをして、走り回って遊びましたが、アトリエの子ども達は、やはり逞しかったです。顔面を狙われても目をつぶるのは一瞬で、どんどんむかってきます。普段、大人しい子も、こういう時は、やんちゃ顔。性格はそれぞれですが、どんな子もやる時はやる!!そういう子に育ってくれるように私達講師も子ども達と接してきました。アトリエの子ども達の大胆さ、スケールの大きさ、小さくまとまらない器の大きさを、このまま育ててあげたい、もっともっと生きている実感を体中で感じさせてあげたいと、この夏、改めて思いました。
今週の幼小コピカ、ピカソは夏の集大成・絵画の活動です。絵は、集中すればどの子もいい絵を描きあげます。絵に限らす、どんな活動もそれは同じ。また大人も集中すれば必ずいい仕事ができます。
集中するということは、もうこれが限界と思うくらい無我夢中に意識がむかった時、努力するということは、精も魂もつきるくらい、もう思い残すことはないと言えるくらいまで、やり遂げた時です。集中力と最後までやり遂げる力、私はこの二つがあれば、生きる力を身につけてゆくことができることを、6年生まで通ってくれた子ども達の育ちに教えられてきました。この二つの力は、その子の持っている能力を何倍にもしてくれます。エジソンも2000回の失敗があったからこそ、試行錯誤を繰り返して1つの成功を導きだしました。何事も一生懸命すること、そして必ず最後まで諦めずにやり遂げること、私はこの二つの力だけは、アトリエの子ども達全員に身につけさせてあげたいと思っています。その為には、まず自分自身がそうでなければなりませんね。
アトリエの夏、最後の一週間。全力で子ども達と向き合いたいと思います。
※8月24日の神戸新聞に私の記事がのっているので、是非見て下さい。
※BANBANテレビでアトリエの子ども達の様子が放映されます。
(まだ未来の街の絵が途中の子達が描きに来た時の映像です。)
2010.8.(3) アトリエ講師 星野 由香